ドイツ連邦政府がデータセンター戦略を発表、デジタル主権と競争力確保を目標に

(ドイツ、米国、中国)

デュッセルドルフ発

2026年04月09日

ドイツ連邦政府は3月18日、データセンター戦略を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ドイツ語)。これは、技術革新や競争力強化などを目的とした「ハイテク・アジェンダ・ドイツ」(2025年8月6日記事参照)のインフラ面を支える施策で、データセンターの処理能力の拡大が社会インフラの向上に不可欠になりつつある現状を踏まえたものだ。

ドイツにはすでに2,000以上のデータセンターが所在し、欧州で最大級のデータセンターの集積地となっている。その地位を確固たるものにすることを目標として、国内のデータセンター容量を2025年比で2030年までに倍増させ、高性能計算(HPC)や人工知能(AI)のための処理能力を少なくとも4倍に引き上げるとしている。

本戦略は、3つの取り組み分野、28の具体的施策で構成されている。第1の分野は競争力あるエネルギー価格と持続可能なエネルギー供給の実現、第2の分野はデータセンター設置に適した用地の確保・整備(データセンター設立計画の許認可手続きの迅速化施策を含む)、第3の分野はHPCやAIなどの技術の強化を通じたデジタル主権(注)の強化だ。本戦略の発表に際してカーステン・ウィルトベルガー・デジタル化・国家近代化相は、「新たなデータセンターが建設されるたびにドイツのデジタル主権と競争力が強化される」と述べた。

ドイツのデータセンター容量は2025年に約3ギガワット(GW)となり、2030年には5GWを超えるとされているが、このペースでは不十分とドイツIT・通信・ニューメディア産業連合会(Bitkom)は指摘する。米国(2024年時点で48GW)や中国(同38GW)と比べると大幅に劣後しており、国際競争力を獲得するには抜本的な環境整備が必要と提言した。

連邦政府は、州や産業界、有識者などとの対話を経て、今後12カ月以内に本戦略の施策を実行に移していく方針だ。なお、戦略は毎年、見直される予定。

(注)デジタル主権とは、国家とその経済がデジタル領域における技術、プロセスやデータ管理などを独立して、安全かつ自国の利益に沿って意思決定できる能力を指す。

(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)

(ドイツ、米国、中国)

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