中国、医薬品価格形成メカニズムの整備進める

(中国)

北京発

2026年04月16日

中国国務院は3月30日、「医薬品価格形成メカニズムの整備に関する若干の意見」(国弁発[2026]9号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(中国政府網への掲載日は4月14日)。医薬品分野における全国統一大市場(注1)の建設に向け、市場主導型の医薬品価格形成メカニズムを構築し、市場活力の喚起、公正な競争の促進、市場秩序の維持を目的としている。

意見では、重点分野における医薬品価格政策の改善として、新薬の市販化時、いわゆる新規上市医薬品の初回価格設定メカニズムの最適化を図るとした。価格設定においては、臨床的価値、市場における需給、競争構造、社会的受容性などの要素を総合的に考慮した上で、製薬会社が自己評価制度に基づき自主的かつ合理的な価格設定を行い、社会的モニタリングとピア・レビュー(同業他社や専門家による評価)を受けることとしている。また、医療保険の支払い基準が医薬品価格の形成を誘導する役割を果たすために、医療保険医薬品目録(注2)の調整方法を最適化するとした。そのほかに、医薬品の「帯量購買」(注3)における価格形成メカニズムの整備や、医薬品のオンライン掲載価格の管理を改善するとした。

販売ルート・販売チャンネルに係る価格の設定については、公立の医療機関で使用される全ての医薬品(漢方・生薬を除く)は、省レベルの医薬品調達プラットフォームを通じ、利益を乗せずに販売されるべきとした。また、薬局による医薬品小売価格の設定は市場競争を通じて自主的に決定することや、オンライン・オフラインの価格比較を常態化し、異なる販売チャンネルにおける医薬品の公正かつ合理的な価格設定を促進するとした。

そのほかには、不足する医薬品の供給確保と価格安定化の強化や、麻酔薬・向精神薬の価格管理の強化、民間医療保険の機能向上などが挙げられた。

国務院新聞弁公室は4月14日、本意見に関して記者会見を実施した。会見で国家医療保障局の施子海副局長は、本意見は医薬品価格の管理を強化することで、医薬品価格が適正な範囲内で推移するよう導くものであると解説した。具体的な措置としては、医薬品価格におけるリスクに対する事前のアラート強化、集中購買時の非合理的な競争による供給への影響防止、医薬品や原材料における商品不足による不当な価格引き上げの取り締まり、価格購買信用評価制度(注4)の整備、医薬品の医療保険価値評価制度の確立を挙げた。

(注1)第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議で示された2026年の重点取り組みの4点目「重点分野の改革を持続的に深化させる」では、全国統一大市場の建設を深化させるとしている(2026年3月6日記事参照)。

(注2)国家医療保障局が公表。本意見発表時点の最新版は2026年1月1日施行の2025年目録。詳細は国家医療保障局のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます国家医療保障サービスプラットフォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどで確認ができる。

(注3)国家あるいは地方政府レベルで実施する大量購入を前提とした競争入札制度。

(注4)国家医療保障局は2020年8月に「医薬品価格および購買の信用評価制度の確立に関する指導意見」を発表し、医薬品の集中購買機関を主体に、医薬品価格および調達に関する信用評価制度を開始した。裁判所の判決または行政処分により、認定医薬品のリベート販売や談合などの事実に基づき、信用格付けや段階的処分などを行い、企業が公平・合法・誠実の原則に従って経営活動を行うよう促す。処分事例は国家医療保障局の専門ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公開されている。

(亀山達也)

(中国)

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