ASEAN、DEFAは2026年11月署名を目指す方針を再確認

(ASEAN、タイ)

ジャカルタ発

2026年04月16日

ASEANビジネス諮問評議会(ASEAN-BAC、本部:インドネシア・ジャカルタ)とASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA、注1)の交渉委員会は4月10日、DEFA交渉の進捗状況を産業界向けに報告する会合をオンラインで開催した。会合には、DEFA交渉委員会(議長国:タイ)のプリュープレー・チュンルン議長やASEAN11カ国の交渉担当者のほか、産業界からASEAN-BAC、米国ASEANビジネス評議会、EUのASEANビジネス評議会、英国ASEANビジネス評議会、ジェトロなどが参加した。

プリュープレー議長は、DEFA交渉の進捗について、ASEANの閣僚や首脳から指示を受けながら交渉を進めていると言及し、「DEFAは既存の約束事項を改善するだけでなく、より広範かつ深い関与を伴う包括的な協定であるべき」と強調した。署名時期については、2026年3月のASEAN経済相(AEM)リトリート(非公式会合)では明言が避けられていたが(2026年3月24日記事参照)、今回の会合では「2026年11月にフィリピンでの署名を目指す」とした。

分野別の進捗状況については、「相互運用性がASEANの規制当局と産業界にとってキーワードである」とした。具体的には、電子商取引を含むデジタル貿易に関する域内の規制格差という課題に対し、「国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)のモデル法などを参考にしている」と述べた。国境を越えたデータ流通においては、商業データの自由な流通やローカライゼーション要件への対応が含まれるとした。また、ソースコードや暗号技術を用いたICT(情報通信技術)製品に関する新たな義務を定める方針も示した。デジタル人材については、市場アクセスに関する約束は含まれないものの、人材移動の促進や、デジタルトランスフォーメーション(DX)に必要なスキルセットに焦点を当てると説明した。

産業界からの「規制のサンドボックス制度(注2)が盛り込まれる余地があるか」との質問に対し、同議長は「余地はある」と回答。DEFAが将来の変化に対応可能な枠組みとするため、フィンテックやサンドボックスに関する条項を設けていることを明らかにした。

(注1)DEFAについては2026年2月16日付地域・分析レポート参照。

(注2)IoT(モノのインターネット)、ブロックチェーン、ロボットなどの新技術の実用化やビジネスに対し、期間・参加者を絞って既存規制を一時停止し、実証実験を認める制度。そこで得られたデータに基づき、現状に合わない規制の見直しを行うことで、社会実装のスピードを速めることを目的とする。

(大滝泰史)

(ASEAN、タイ)

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