2025年ODA実績は前年比23.1%減で過去最大の減少率に、OECD報告

(アフリカ、中東、ドイツ、米国、日本、EU、ウクライナ)

調査部中東アフリカ課

2026年04月16日

OECDが4月9日に発表した政府開発援助(ODA)実績に関するプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、OECD開発援助委員会(DAC、注)メンバーの2025年の援助合計額(暫定値)は前年比23.1%減の1,743億ドルとなった。

OECDは前年のシミュレーションで、2025年はODAが9~17%減少するとの予測を立てていたが(2025年5月2日記事参照)、統計開始史上最大の年間減少率となり、ODA拠出額は「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」が採択された2015年以来の水準にまで落ち込んだ。

DAC加盟国のODA拠出額をみると、ドイツが291億ドルで初めて首位になった。次いで、米国(290億ドル)、英国(172億ドル)、日本(162億ドル)、フランス(145億ドル)が続いた。上位5カ国すべてのODAが前年より減少したのは記録上初めてで、特に、米国は56.9%減少し、全体の減少額の4分の3を占めた。DAC加盟国の中で、ODA拠出額を維持または増加させたのは、34カ国中8カ国だった。

国民総所得(GNI)比で0.7%のODA拠出という国連目標を上回ったのは、デンマーク、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデンの4カ国で、前年と変わらなかった。

OECDの報告書によると、DAC公式メンバー以外からの拠出は12カ国・地域から133億ドルだった。OECD加盟国でDAC非加盟国のトルコ(75億2,000万ドル)、OECD非加盟国だがDACのParticipantステータスを持つアラブ首長国連邦(34億1,000万ドル)とカタール(9億1,000万ドル)が多く、中東諸国からの拠出が大部分を占めた。

ウクライナへの2国間ODAは38.2%減の103億ドルだったが、EUからの拠出金を含めると18.7%増の449億ドルで、1カ国に対するODAとして過去最大だった。これは、DAC加盟国による後発開発途上国全体もしくはサブサハラ・アフリカ諸国全体への2国間ODAを上回った。

報告書では、2026年のODAについて中東情勢によるさらなる影響を考慮しないとしても、2026年のDAC加盟国のODAは2025年より5.8%減少すると見込んでいる。

(注)DACは、OECD加盟国(38カ国)中の32カ国にEUを加えた33メンバーが加盟。日本もOECD加盟に先立ち、1964年に加盟した。統計ではルーマニアを足した34カ国で実績を公開している。

(坂根咲花)

(アフリカ、中東、ドイツ、米国、日本、EU、ウクライナ)

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