メリーランド視察企業、メドテック・サミットで日・米・カナダのライフサイエンス連携セッションに参加

(米国、カナダ、日本)

ニューヨーク発

2026年04月13日

ジェトロが米国メリーランド(MD)州に派遣したライフサイエンス分野の視察ミッション(2026年3月31日記事参照)の参加企業は3月24日、同州最大のメドテック関連イベント「2026メリーランド・メドテック・サミット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に参加した。国際協業連携の取り組みの一環として、ジェトロは「国際パートナー・セッション」を主催し、日・米・カナダのライフサイエンス分野の連携強化をテーマとしたセッションを実施した。

同セッションの冒頭、MD州政府のリカルド・ベン商務副長官が登壇し、同州には400超のメドテック企業、3,000超のライフサイエンス企業が集積しており、国際共同研究・産業連携に最適な環境であると強調した。また、同州と神奈川県などとの姉妹州交流が長年にわたり研究・産業協力を支えてきたと述べた。さらに、MD州企業と日本企業の協業・連携の取り組みを支援するジェトロとの協力の重要性についてあらためて言及した。続いて、ジェトロ・ニューヨーク事務所の三浦聡所長は、直近の日米首脳会談におけるライフサイエンス協力強化の合意などの政府間の動きを踏まえ、米国スタートアップとの協業促進への期待を示した。特にMD州は、国立衛生研究所(NIH)や食品医薬品局(FDA)を擁する研究集積地として魅力が高く、日本企業の北米ネットワーク構築に適した地域であると紹介した。

日本企業セッションでは、3社が登壇した。リプロセル(Reprocell)は、iPS細胞関連サービスのグローバル展開について説明した。同社は米国・英国企業の買収を通じて研究・商業基盤を拡大し、MD州ベルトスビルの拠点を中心に、GMPグレードiPS細胞(注)製造体制を強化外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。MD州と神奈川県との姉妹州関係も背景に、日米間の研究協力と経済交流の促進に寄与していると述べた。

写真 セッションの様子(ジェトロ撮影)

セッションの様子(ジェトロ撮影)

東レ(Toray Industries America)は、化学・先端材料に加え、医療機器・診断薬・ヘルスケア製品など幅広いライフサイエンス領域の事業を展開していることを紹介。特に膵臓(すいぞう)がんバイオマーカー「ApoA2‑iQ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の高い診断性能や、米国での事業展開、さらに腎・血液浄化、循環器、消化器、先端材料を活用した医療製品など、多様な領域での技術協力を求めていると説明した。大阪ソーダ(Daiso Fine Chem USA)は、機能性化学品や医薬品精製材を中心に、世界的に高いシェアを持つニッチケミカルを供給していると説明。米国拠点をロサンゼルスからシカゴに移転したことを報告し、今後は「米国内で製造拠点設立を含む投資の可能性を検討している」と述べた。

カナダからは、骨接合用生体接着技術のコヒーシス(Cohesys外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、医療現場向け協働プラットフォームを提供するハイパーケア(Hypercare外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、微小生体デバイスを用いた細胞解析技術を持つアナンダ・デバイセズ(Ananda Devices外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)がセッションに参加した。MD企業は、腎機能代替技術を開発するエクソレナル(Exorenal外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、現場で使用可能な迅速診断技術を持つノーベル・マイクロデバイセズ(Novel Microdevices外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、神経系向け医療器具を手がけるアリーナル・メディカル(Arenal Medical外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が、各社の強みを紹介するとともに国際連携の可能性を示した。

(注)医薬品の製造・品質管理基準(GMP)に準拠した設備で製造されたiPS細胞。

(遠藤壮一郎、堀米美帆)

(米国、カナダ、日本)

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