江西省、2028年までに長期介護保険制度を省全域で導入へ、実施プランを発表

(中国)

武漢発

2026年04月21日

江西省政府は4月16日、「江西省の長期介護保険制度の確立に関する実施プラン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した(文書は4月9日付)。同プランでは、2028年までに省全域で全面的に長期介護保険制度を実施することを主要目標とし、被保険者の範囲や保険料の水準、給付対象となるサービスなどの制度設計についてまとめている。

同省における長期介護保険制度の加入対象範囲は、企業・事業単位の雇用主およびそれに属する従業員に加え、退職者、フリーランス、ならびに都市・農村部の非就業者と定めた。まずは2026年末までに、条件を満たす地域で就業者を対象に長期介護保険制度を開始し、その後2027年以降から段階的に非就業者を対象範囲に組み入れる。

保険料については被保険者の属性ごとに定められており、従業員の保険料率は0.3%で、雇用主と本人が毎月それぞれ0.15%を負担するものとし、保険料の算定基準は従業員基本医療保険の算定基準と一致させる。非就業者の都市・農村住民は年度ごとに徴収し、保険料率は0.3%で、個人と政府が1対1の割合で分担する(注)。保険料の算定基準は、統括地区の前年度の都市・農村住民の1人当たり可処分所得とし、都市・農村住民基本医療保険に準じて年額で納付する。フリーランスは、従業員か、未就業の都市・農村住民のいずれかの制度に基づき加入できるが、前者が推奨されている。

給付対象となるサービス形態については施設介護、在宅介護、社区(コミュニティー)介護などがあり、要介護度やサービス形態に合わせて給付・保障を講じる。給付水準については、従業員の場合、施設介護で65%前後、コミュニティー介護で70%前後、在宅介護で75%前後としている。年間の給付限度額については、前年度の都市・農村住民1人当たりの可処分所得の50%を超えないものとする。また、国の統一方針や江西省の経済・社会の発展状況、基金の負担能力に基づき、将来的に長期介護に関連するスマート化サービスや補助器具を給付対象に組み入れることを検討するとしている。

中国では3月25日に、中国共産党中央委員会弁公庁および国務院弁公庁より「長期介護保険制度の確立を加速することに関する意見」が発表され、2028年末までに同制度を全国で導入することが示された(2026年4月1日記事参照)。中国では2024年11月時点で、49都市で長期介護保険制度が試験運用されており、江西省では上饒市で試験運用されていた。

なお、江西省は2024年末時点で65歳以上の人口が624万7,600人となっており、全省人口に占める割合は13.9%だった。

(注)非就業の都市・農村住民の保険料率は、初年度は0.15%とし、2~5年かけて0.3%へと引き上げる。

(廣田瑞生)

(中国)

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