日英アフリカのテック&イノベーション・ミニサミットが開催
(英国、日本、アフリカ)
ロンドン発
2026年03月26日
英国労働党のアフリカ系組織 UK Labour African Network(LAN)(2026年1月8日記事参照)および在英国日本大使館は3月18日、ロンドンで「英国・日本・アフリカ・テック&イノベーション・ミニサミット」を開催した。英国・日本・アフリカの政府関係者、投資家、テック企業、スタートアップ関係者など約100人が参加し、3カ国・地域による技術分野でのパートナーシップの可能性について講演やディスカッションが行われた。
基調講演では、英国下院議員で対フランス語圏アフリカ通商特使を務めるベン・コールマン氏が、「日本の技術的卓越性とエンジニアリング力、英国の世界的な金融・イノベーションエコシステム、そしてアフリカの驚異的な起業家エネルギーが組み合わされば、非常に大きな力が生まれる」と述べ、今回のサミットでの対話が「共同投資や技術移転、市場拡大へつながることを期待している」と語った。
ベン・コールマン対フランス語圏アフリカ通商特使による基調講演(ジェトロ撮影)
第1セッションでは、「英国・アフリカのイノベーション回廊」をテーマに議論が行われた。続く第2セッションの冒頭では、在英国日本大使館の梶田拓磨公使による講演が行われ、日本はアフリカ開発銀行(AfDB)やロンドンに本部を置く欧州復興開発銀行(EBRD)と協力して、アフリカの民間セクターを支援していること、また国際協力機構(JICA)がアフリカのスタートアップやファンドへ投資を進めていることを紹介した(注1)。
在英国日本大使館の梶田拓磨公使のあいさつ(ジェトロ撮影)
第2セッションには、日本のベンチャーキャピタル(VC)としてルワンダやケニヤに拠点を構え、キャピタル投資を行うダブル・フェザー・パートナーズの最高財務責任者(CFO)の武藤康平氏のほか、戦略アドバイザリー会社インパクト・アフリク・グローバル・パートナーズのマネージング・パートナーのエレノア・サーポン氏らが登壇した。
武藤氏は、「アフリカ市場では流動性が不足し、エグジット(出口)の選択肢が極めて限られている」との現状を指摘。その上で、「現在、アフリカの投資家のうち企業投資家が占める割合は約5%にとどまる一方、日本国内では投資資本の約45%を企業が占めている点が大きな特色だ。日本企業にとって最大のチャンスは、アフリカの長期的な成長を捉え、ビジネスを共に創り上げていくことにある」と強調した。
サーポン氏は、「AI(人工知能)やデータ活用を含むデジタルイノベーションは、安定した通信インフラの上に成り立っている。アフリカで2030年までにユニバーサル・ブロードバンド(注2)を実現するには、約1,090億ドルの追加投資が必要だが、現状は大きく出遅れている」と説明した。「関連のインフラ投資は、日本企業にとって大きなビジネス機会がある」との認識を示した。
(注1)JICAは、2026年3月9日、「アフリカ気候テックスタートアップ投資促進事業」として、アフリカのベンチャーキャピタル(VC)ファンドであるPersistent Africa Climate Venture Builder Fundに対する出資契約に調印
した。AfDB、北欧開発基金(NDF)、英国のFSD Africa Investments(FSDAi)、インパクトファンド・デンマーク(IFDK)などの開発金融機関や民間投資家と協調して出資している。
(注2)場所や所得などにかかわらず、十分な品質のインターネット接続が利用できる社会基盤のこと。
(森詩織、植松麗良)
(英国、日本、アフリカ)
ビジネス短信 efca8adc906219b7






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