フランス、原子力戦略を加速、第5回原子力政策評議会を開催
(フランス)
パリ発
2026年03月18日
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は3月12日、次世代原子炉EPR2(改良型欧州加圧水型炉)を建設中のパンリー原発を視察し、原子力政策評議会(CPN)の第5回会合を同地で開催
した(プレスリリース、フランス語)。同評議会は、マクロン大統領が2022年に打ち出した原子力政策を国家レベルで運営するために立ち上げられた。
同評議会はフランスの原子力政策の大きな方向性を定めるもので、今回の会合では、昨今の国際情勢が化石燃料からの脱却とエネルギー主権確保の必要性を裏付けているとし、安価で安定した電力供給や気候変動対策の観点から原子力再興の重要性を強調した。
評議会は6基のEPR2建設計画に関わる監査結果を受け、フランス電力(EDF)が728億ユーロの建設費と工程順守を約束したことを確認した(2025年12月24日記事参照)。計画総額の60%はフランス預金供託公庫(Caisse des dépôts)による国の優遇融資で賄われる。EDFの取締役会は最終投資決定を2026年末までに行い、2038年までに初号機の運転開始を目指す。
評議会はまた、使用済み燃料再処理のオラノが進めるラ・アーグにある核燃料サイクル・バックエンド施設の更新計画について、その進捗を確認した。同計画は2段階で、第1段階では2040年までに使用済み燃料貯蔵プール2基、プルトニウム系物質貯蔵施設のほか、新たにMOX燃料製造施設「メロックス2」を建設する。第2段階では使用済み燃料再処理工場「ラ・アーグ2」を建設し、3基目となる使用済燃料貯蔵プールを整備する計画だ。
さらに、評議会は、2100年までに天然ウランの輸入に依存しない体制を構築するため、核燃料サイクルの完全閉鎖を目指す新プログラムの開始を決定した。まず4年間の調査に着手し、2030年頃に国内初となる高速炉(réacteur à neutrons rapides)建設の着工を見据える。フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)、EDF、原子炉製造のフラマトム、オラノの代表で構成する統括組織を設置し、進捗を毎年報告する体制を整える。
マクロン大統領は同日、現地での演説
(フランス語)で、フランスは省エネ、原子力再興、再生可能エネルギー拡大の3本柱によるエネルギー戦略を進める方針を示した。EPR2は6基の建設を決定し、追加8基の建設も検討される中、パンリーではすでに工事が始まっており、ピーク時の2032~2033年には同地で1万人以上が従事予定と説明。EPR2は2038年以降、順次稼働する計画で、「21世紀の大事業」と位置付けた。
(山崎あき)
(フランス)
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