メキシコ政府、週の労働時間を40時間とする憲法改正を官報公示
(メキシコ)
メキシコ発
2026年03月06日
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は3月3日付の連邦官報で、メキシコ合衆国憲法123条を改正し、労働時間を週48時間から40時間に段階的に削減する憲法改正を公示した。改正案は2025年12月3日に上院に提出され(2025年12月9日記事参照)、2026年2月11日に賛成103票、反対15票で可決し、下院では2025年2月25日に賛成411票、反対58票と3分の2以上の賛成で可決された。憲法の改正内容は、改正案と同じだ(2025年12月9日記事添付資料参照)。改正にあたり、経過条項では次の点を定めた。
○第1条:本法令は、連邦官報に掲載された日(2026年3月3日)に施行する。
○第2条:議会は、本法令の公布から90日以内に二次法の改正を行わなければならない。
○第3条:本法令第123条2項AのIVに規定される労働時間の短縮は、当該年の1月1日から、以下のとおり段階的に実施されるものとする。
(労働時間の段階的削減)
- 2026年:48時間
- 2027年:46時間
- 2028年:44時間
- 2029年:42時間
- 2030年:40時間
○第4条:労働時間の短縮は、いかなる場合においても、労働者の給与、賃金、または手当の減額を意味するものではない。
時間外労働に関して政府と専門家の意見が分かれる
労働・社会保障省(STPS)は、憲法改正前の2月18日に、労働時間と時間外労働に関するプレスリリース
を公表した。時間外労働について、「残業は引き続き任意となるが、明確な上限を定める。実態として労働時間に上限がなかったが、週あたり最長56時間に設定される」とした。残業は1日最長4時間で、週のうち最多4日間とした場合、週の残業時間を最長16時間とし、それに通常の労働時間の40時間を加算して56時間が労働時間の最大とする解釈を示した。また、時間外労働に対する対価についても「12時間までは通常の倍額で、次の4時間(13~16時間の計4時間)は3倍額とし、その上限を超えることはできない」と述べた。
しかし、複数の弁護士事務所からは、今回の憲法改正では「時間外労働は12時間を超えてはならないとしており、憲法改正の内容だけでは、時間外労働の最長時間が16時間となるとは言い切れない」との声が上がっている。また、「3倍額の支払いに関する詳細は、憲法だけでは規定されていない」として、連邦労働法の改正内容を待つ必要があり、現段階では実務的な判断が難しいと指摘している。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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