2025年の投資認可額は過去最高、製造業向けが前年比13.1%増

(マレーシア)

クアラルンプール発

2026年03月13日

マレーシア投資開発庁(MIDA)は3月6日、2025年の投資認可総額が前年比11.0%増の4,267億リンギ(約16兆6,413億円、1リンギ=約39円)となり、過去最高を記録したと発表した(MIDAプレスリリース参照PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。産業別にみると、サービス業が65.9%、製造業が30.8%、第一次産業が3.3%を占めた。投資認可総額のうち、国内投資が51.5%、外国投資が48.5%となった。

認可された投資案件数は8,390件で、24万4,902人の新規雇用を創出する見込みだとMIDAは試算している。また、2021年から2025年までに認可された製造業案件のうち84.9%が実行済みという。

ジェトロが3月9日にMIDAから別途入手したデータによると、2025年の製造業向け外国投資認可額は、前年比13.1%増の1,006億リンギだった。業種別にみると、電気・電子製品が55.5%減の237億リンギにとどまったものの、全体の23.6%を占め、最大の投資分野だった(添付資料表1参照)。これに、化学・同製品、輸送機器、基礎金属製品、非金属鉱物製品が続いた。

投資元国・地域別では、中国が前年比90.3%増の437億リンギで首位となった(添付資料表2参照)。次いで投資額が大きかったのはシンガポールで89億リンギだった。両国とも、電気・電子製品、輸送機器および化学・同製品関連の投資が大きく寄与した。これに、米国、香港、英領バージン諸島が続いた。各国による代表的な投資案件として、米半導体大手エヌビディアによるサプライチェーン強化投資(200億リンギ相当)、中国のバッテリー用セパレータ製造企業であるINVニュー・マテリアル・テクノロジーによる工場開所(32億リンギ相当)、香港の電池製造企業である金山科技工業による施設設置(6億7,000万リンギ相当)などがあった。

日本による製造業投資認可額は、前年比2倍の約26億リンギに達したものの、国・地域別ではトップ10入りを逃し、11位にとどまった。そのうち、化学・同製品は12.1倍の15億リンギで、全体の56.6%を占めた(添付資料表3参照)。報道や各社リリースによると、主な投資案件として、精密金型部品メーカーのパンチ工業による関連会社ブライト・マシン・ツールズ(BMT)の買収(金額は非公開)、非鉄金属大手メーカーの三井金属による工場の追加投資(同)、流体制御関連機器メーカーのピラーによる子会社の設立(4億3,500万円相当)などが報じられた。

3月6日に行われたMIDA年次メディア会議に登壇した、MIDA会長で前マレーシア投資貿易産業省(MITI)大臣のザフルル・アジズ氏は、2023年以降に導入された明確な政策や安定した制度改革が投資家の予見性を高め、こうした信頼感が新規設備投資や高度技術の導入、質の高い雇用創出、そして産業の持続的な成長につながっていると述べた。続いて、MITIのシム・ツェツィン副大臣は、これらの成果が国内外の信頼を反映し、さらに3月1日発効の新インセンティブ枠組み(NIF)(2026年2月17日記事参照)により、投資流入が国民に具体的な経済価値として還元されるよう取り組んでいると述べた。

(戴可炘)

(マレーシア)

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