ブラジル農畜産業界、中東情勢の悪化によるディーゼル不足と肥料価格上昇に懸念

(ブラジル、中東)

サンパウロ発

2026年03月30日

ブラジル農畜産業界では、中東情勢の悪化を受け、ディーゼル燃料の供給不安および肥料価格の高騰に対する懸念が高まっている。全国農業連合(CNA)のブルーノ・ルッキ技術統括責任者は、現地紙「エスタード」(3月23日付)のインタビューで、「ディーゼル価格と供給の安定確保が最も重要な課題だ」と指摘した。同紙が取材した複数の農家によれば、中東情勢の影響を受けて、トラック、コンバインハーベスター、トラクターなどで使用するディーゼルの供給が逼迫しており、既に収穫されたトウモロコシの輸送や進行中の大豆収穫、今後予定される播種作業のコスト上昇につながっているという。

また、天然ガス由来の尿素肥料の価格高騰も深刻化している。ブラジル大手イタウ銀行が3月25日に発表したレポートによると、ブラジルにおける尿素価格は過去30日の間に約5割上昇した。中東地域は尿素の主要生産・輸出地域で、世界の尿素輸出量の30~35%を占める(2026年3月25日記事参照)。ブラジル開発商工サービス省(MDIC)の統計によれば、同国は2025年に約773万トンの尿素を輸入し、そのうち約273万トン(35.4%)が、今回の中東での紛争に関与している国々からの輸入だった(注)。

さらに、現地紙「フォーリャ」(3月25日付)が掲載したブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)の資料によると、ディーゼル供給の不安定化に伴う輸送費の上昇や、石油由来の包装資材価格の上昇を受け、国内の卵・鶏肉・豚肉価格が上昇する見通しだという。

(注)その内訳は、オマーンが約120万トンで第3位、カタールが約99万トンで第4位、サウジアラビアが約23万トンで第8位、イランが約18万トンで第10位。このほか、バーレーンが約9万トン(第12位)、アラブ首長国連邦が約3万トン(第16位)だった。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、中東)

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