ブラジル中銀、政策金利を約2年ぶりに引き下げ

(ブラジル)

サンパウロ発

2026年03月23日

ブラジル中央銀行の金融政策委員会(Copom)は3月18日、政策金利(Selic)を15%から0.25ポイント引き下げ、14.75%とすることを決定した。政策金利は、過去5会合連続(注1)据え置かれていたため、利下げは2024年5月8日以来となる。

Copomは声明の中で、「中東地域における地政学的緊張の高まりにより外部環境の不確実性が増し、世界的な金融市場に影響が及んでいる」と指摘した。また、「こうした状況下では資産価格や商品市況の変動が大きくなり、新興国には慎重な対応が求められる」と述べた。一方で、「政策金利を長期間にわたり緊縮的な水準に維持した結果、経済活動の減速が進み、政策金利の調整が可能となった」と、引き下げの背景を説明した。

中銀が3月13日付で公表した週次レポート「フォーカス」(注2)によると、2026年の拡大消費者物価指数(IPCA、注3)上昇率の市場予測は4.1%で、中銀が定めるインフレ目標範囲(1.5~4.5%)に収まっている。

現地紙「フォーリャ」(3月18日付)によれば、市場では中東情勢が悪化する前まで政策金利を14.5%へ引き下げるとの見方が有力だった(2026年2月4日記事参照)。しかし、中東での紛争激化に伴う原油価格の上昇を受け、14.75%への小幅な引き下げが予想されていた。

今回の決定を受け、全国工業連盟(CNI)は3月18日付プレスリリースで、「インフレ率は急速に鈍化しており、市場の期待インフレ率も目標範囲内にとどまっていることから、金利はより大幅に引き下げるべきだった」と批判的な姿勢を示した。一方、サンパウロ州商業連盟(FecomercioSP)は同日付の公式コメントで、「国際的な原油価格の上昇に加え、国内のサービス価格のインフレが続く中では、より大幅な調整は困難だった」と述べ、Copomの判断を支持した。

(注1)2025年6月18日の会合でSelicが15%に決定して以降、1月28日の前回会合まで、Selicは5回続けて据え置いていた。

(注2)フォーカスは、中銀が国内100以上の金融機関を対象に行ったアンケートを集計し、予測などをまとめたもの。毎週金曜日に集計を行って平均値を算出し、翌週の月曜日に公表する。

(注3)ブラジルの代表的な物価指数。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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