起業家支援団体エンデバーに聞く、ブルガリアのエコシステムの特徴
(ブルガリア、日本)
調査部国際経済課
2026年03月13日
起業家支援を行う米国NPOのエンデバー(Endeavor)
は、起業家支援やアクセラレーションプログラム、エコシステム構築を通じスタートアップエコシステムの強化に取り組んでいる。ジェトロは2月23日、エンデバー・ブルガリアのマネジングダイレクター・モムチル・バシレフ氏、COOのシモナ・ニコロバ氏に、取り組みおよびブルガリアのエコシステムについて聞いた。
エンデバーはアーリーステージ向けのアクセラレーションプログラムと、スケールアップ向けのグローバルプログラムを提供している。革新的な技術やスケールアップに向けた意思を有しており、「恩返し(give back)」のマインドセットがある企業であれば、産業や技術を問わず対象となる。特徴は、企業ごとのニーズに合わせた支援を提供できることであり、資金調達であれば世界約50カ国のネットワークを生かしたベンチャーキャピタルや投資家の紹介に加え、資金調達ラウンドの準備も支援している。
大企業とのオープンイノベーションの取り組みも支援している。ブルガリアでは、フランスの水処理大手ヴェオリアと首都ソフィア市とともに、革新技術を持つ企業のソーシングを行っている。また、日本の村田製作所の共創プロジェクト「Kumihimo Tech Camp」のブルガリアでの実施も支援。2月24日にはソフィア市内で受賞企業の発表イベントも開催した(2026年3月9日記事参照)。
エンデバーの日本拠点とも連携し、ブルガリアのテック企業の日本、特に東京への進出を支援している。
ブルガリアの主要産業は機械製造と情報通信技術(ICT)だ。このうちICTに関しては、人材を生かしたアウトソース、ソフトウエア・アズ・ア・サービス(SaaS)、人工知能(AI)の3分野が中心。AI分野では、従来のICT企業が自社サービスにAI技術を加える動きと、モデルの応用に注力するAI企業の誕生という、2つのトレンドが見られるという。
ブルガリアでは、2021年にコンピュータサイエンス・人工知能・技術研究所(INSAIT)が設立されている。既存のスーパーコンピュータとEUのAIファクトリーと組み合わせることで、国内のAI産業の成長にもつながるという。
他方、ブルガリアの課題はスケールアップの段階での資金だ。エンデバーとしてはスケールアップ向けのプログラムを通じ、米国やEUなど国外の投資家へのアクセスを支援している。また、欧州全域にも当てはまるが、効果的な技術移転モデルの開発や実行も課題。政府も技術移転の促進に向けて複数の基金を通じて支援を図っている。
(山田恭之、峯裕一朗、太田響子)
(ブルガリア、日本)
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