中国、臨時調整措置で石油製品の急騰抑制、産業界にも油価高騰の影響広がる
(中国)
上海発
2026年03月25日
中国国家発展改革委員会(NDRC)は3月23日、国内の石油製品価格を引き上げると公表した。現行の価格形成メカニズムに基づけば、ガソリン価格は1トン当たり2,205元(約5万715円、1円=約23元)、軽油価格は2,120元の引き上げとなるところ、臨時の調整措置を講じ、実際の引き上げ幅をそれぞれ1,160元、1,115元に抑えた。国際価格上昇の影響緩和や下流負担の軽減などを目的とした措置であり、生産・輸送体制の確保と関係部門への市場監督の強化も指示している。
中国の石油製品価格は、国際原油価格の変動を参照しながら、原則として10営業日ごとに国内小売上限価格を見直す仕組みだ。2013年に現行メカニズムが導入されて以来、今回が初の調整措置とされる(「新華社」3月23日)。
なお、NDRCは3月9日にも、国内のガソリンおよび軽油価格の引き上げを実施していた(2026年3月24日記事参照)。政府系メディアによると4年ぶりの大幅値上げだった(「中国新聞網」3月9日)。
中東情勢の影響を受けて、産業界も対応策を取っている。報道によると、中国石油化工集団(シノペック)の趙東副董事長が、3月23日に香港で行われた業績説明会で原油消費を抑えるため、3月に製油所の稼働率を5%引き下げたことを明らかにした(「ブルームバーグ」3月23日)。また、ロイターは、万華化学による中東向け供給についてのフォースマジュール(不可抗力)宣言、浙江石化の日量20万バレル規模の精油装置の停止と定期修理の前倒しなど、各社の動きを報じた(「ロイター」3月5日、21日更新)。
さらに、下流でも原材料価格の急騰と供給不安を背景に、価格引き上げや出荷制限の動きが広がる。中国の塗料・化工業界向け情報サイト「塗料調達網
」に掲載された企業の顧客向け通知によれば、一部原材料で供給遅延や供給不能が発生している。この影響で、受注ごとの価格見直しや、受注時の原材料価格を反映した運用への変更が進んでいるとされる。さらに、取引条件に応じた供給制約や、新規受注の見合わせ、原材料調達状況に応じた供給量・納期の変動可能性にも言及している。
(伊藤彩菜)
(中国)
ビジネス短信 cdfe7b5fa9c0e582






閉じる