米USTR、2025年の模造品・海賊版に関わる悪質市場の調査結果を発表
(米国)
ニューヨーク発
2026年03月05日
米国通商代表部(USTR)は3月3日、2025年の模造品・海賊版に関する悪質市場の調査結果
を公表した。今回は37のオンライン市場と19カ国32の物理的な市場を掲載した。USTRは、著作権侵害および商標権侵害は経済的損失を生むだけでなく、米国の労働者に不利益をもたらし、イノベーションと創造性における米国の比較優位性を損なうと強調している。
今回掲載した市場は、前回の2024年版より(2025年1月10日記事参照)、オンライン市場、物理的な市場ともに1つずつ減った。ただし内訳をみると、知的財産権侵害商品・サービスの大幅な減少などにより2025年版で掲載しなかった市場がある一方で、新たに追加した市場もある。例えば、オンライン市場のFIRE VIDEO PLAYERは、個人が独自に海賊版動画ストリーミングサイトを構築・管理することを可能にしているとして、2025年版で新たに掲載された。
報告書では、2024年版からの改善点も報告した。例えば、米国連邦捜査局(FBI)は2025年7月、オランダ税務情報調査局の支援を受け、複数のオンライン市場を取り締まった。この中には、2023年および2024年版に掲載していた、Nintendo Switch用ゲームソフトの海賊版サイト「Nsw2u」が含まれる。これら複数のオンライン市場では、2025年2~5月に合計320万回のダウンロードが発生し、推定1億7,000万ドルの損失があったという。
例年、特定のテーマに焦点を当てるセクションでは、スポーツの生中継の海賊版と、デジタル時代における著作権保護の課題を取り上げた。その理由として、USTRのジェミソン・グリア代表は、国際サッカー連盟(FIFA)が主催するワールドカップが米国を含む北米3カ国で開催されることを挙げた。報告書では、世界のスポーツ放映権市場が約626億ドル(2024年)と巨大産業である一方、違法なライブストリーミングサイトが急増し、正規放送の収益が大幅に失われていると指摘した。また、スポーツ生中継の海賊行為が「年間最大280億ドルの潜在的追加収益」を損なっているとする、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)、アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)による2023年の共同声明を取り上げた。
報告書ではまた、著作権侵害は国境を越えて行われるため、効果的な執行には国際協力が必要だと訴えた。USTR は貿易相手国に対して、デジタル環境における著作権および関連権利の重要な保護手段である「著作権に関する世界知的所有権機関(WIPO)条約」および「実演およびレコードに関するWIPO条約」への加盟など、知的財産保護強化のための政策改革を行うよう呼びかけていると強調した。
(赤平大寿)
(米国)
ビジネス短信 cd15bba47b635206






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