上海市、住宅購入に関する規制を緩和
(中国)
上海発
2026年03月06日
中国の上海市住宅都市農村建設委員会など5部門は2月25日、「上海市不動産政策のさらなる最適化と調整に関する通知
」を発表し、2月26日から施行した。同通知は、上海市居住者の需要ならびに改善要求に応えるとともに、不動産市場の安定的かつ健全な発展を図るために発表したもの。具体的な政策は次のとおり。
1.住宅購入制限の緩和
上海市の戸籍を持たない世帯(以下、非戸籍世帯)が、「外環線」(注1)の内側エリアで住宅を購入する際の条件となる社会保険または個人所得税の連続納付期間を、従来の3年から1年に短縮する。社会保険・個人所得税を3年以上納付した非戸籍世帯および住民に対しては、「外環線」の内側エリアでの2戸目の住宅購入を認め、外環路の外側エリアでは購入数の制限を設けない(注2)。また、「上海市居住証」を5年以上保有する人に対しては、社会保険または所得税の納付証明の提出を不要とし、市内全域で1戸に限り購入を認める(添付資料表参照)。
2.住宅購入のための公的「住宅積立金」政策の強化
1戸目の住宅購入にかかる公的積立金の貸付上限を160万元(約3,680万円、1元=約23円)から240万元に引き上げる。2人以上の子供がいる世帯は、2戸目の住宅を購入する場合、市内基準額に対して貸付上限を20%上乗せする。
3.個人住宅の不動産税政策の改善
上海市の戸籍を持つ世帯の子供が成人後に上海市内で住宅を購入する際、それが唯一の住宅であることを条件として個人住宅不動産税が一時的に免除される。また、従前は減免条件だった「初回購入」を撤廃し、買い替えも対象とした。
上海市統計局が2026年1月21日に発表した統計によると、2025年の住宅着工面積は前年比1.8%減の7,630万7,500平方メートル、住宅竣工(しゅんこう)面積は34.8%増の1,127万8,300平方メートル、新築住宅販売面積は9.7%減の1,224万9,300平方メートルだった。また、国家統計局が2026年2月13日に発表した統計によると、上海市の1月の新築住宅販売価格は、前年同月比で4.2%上昇した。上海市統計局は市の住宅販売市場について、建設量が減少傾向にあり、新築住宅市場は緩やかな下降傾向にあるが、政策の調整により堅調を維持しているとした。
現地メディアによると、今回の不動産政策緩和は、長期にわたり同市で働き生活する非戸籍世帯や、住環境改善を志向する多子女世帯などの潜在的な住宅需要層の購買意欲を喚起する効果が期待される(「上観新聞」2026年3月2日)。
(注1)上海市中心部を囲む環状高速道路。起点と終点はいずれも宝山区の外環同済路インターチェンジに位置。総延長は約99キロメートルで、上海市の7つの行政区を通過する。
(注2)2025年8月25日に発表した「上海市不動産政策の最適化と調整に関する通知」では、上海市戸籍を持たない世帯が、社会保険または個人所得税を1年以上連続納付した場合、外環線の外側区域においては住宅購入数の制限を撤廃した。
(王艶)
(中国)
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