中東情勢悪化でイランやレバノンの避難民多数、アフリカやアジアに食糧不安も
(中東、レバノン、イラン、アフリカ、アジア)
調査部中東アフリカ課
2026年03月30日
イスラエルおよび米国は2月28日、イランに対する攻撃を開始し、これに対しイランは中東諸国への反撃を行い、中東情勢が悪化している(特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」参照)。
このような中、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は3月12日、イラン国内では、約320万人が避難を余儀なくされていると発表
した。大部分は、テヘランや主要都市部から、同国の北部や農村部へと避難しており、その数は戦闘が継続すればさらに増加すると指摘した。
国際移住機関(IOM)は3月23日、同機関の避難民追跡マトリックス(DTM)によると、レバノンにおいても100万人が国内で避難し、約13万人がレバノンからシリアに越境したと発表
した。各種報道によると、イスラエルからレバノンに対して攻撃を行っている。
また、国連の世界食糧計画(WFP)は3月17日、中東情勢悪化により、食糧不安が過去最高水準に達するとの予測を発表
した。同発表によると、2026年半ばまでに戦闘が終結せず、原油価格が1バレル100ドルを上回り続ける場合、約4,500万人が深刻な食糧不安状態に陥る恐れがあると指摘した。ホルムズ海峡での船舶の事実上の通航停止や、紅海における海上交通のリスクの高まりは、世界的にエネルギーや肥料のコストを押し上げ、中東以外の地域でも飢餓を深刻化につながるという。なお、アフリカやアジアの食糧輸入依存国は、飢餓のリスクが急激に高まる恐れがあるとした。
同発表によると、深刻な食糧不安に陥る可能性ある人口の予測値は地域別で次のとおり。
- 東・南部アフリカ:16カ国で1,770万人
- 西・中央アフリカ:12カ国で1,040万人
- アジア:10カ国で910万人
- 中東・北アフリカ:12カ国で520万人
なお、国連食糧農業機関(FAO)は3月19日、中東情勢悪化は中東において、水供給や農業にも影響しているとの報告書を発表した(2026年3月25日記事参照)。
(井澤壌士)
(中東、レバノン、イラン、アフリカ、アジア)
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