中銀、GDP成長率の鈍化を受けて政策金利を4.25%に引き下げ

(フィリピン)

マニラ発

2026年03月19日

フィリピン中央銀行(BSP)は2月19日、金融政策定例会合で政策金利の翌日物借入金利(リバース・レポ金利、RRP)を25ベーシスポイント(1bp=0.01%)引き下げ、3年ぶりの低水準となる4.25%とすることを決定した。あわせて、翌日物預金金利と貸出金利もそれぞれ3.75%と4.75%に引き下げた。

今回の利下げは、2025年の実質GDP成長率が4.4%と低迷したことを受けて実施された(2026年3月2日記事参照)。BSPは2024年8月以降、累計2.25ポイントの利下げを行っている。

BSPのエリ・レモロナ総裁は金融緩和の方向性について、「利下げだけでは十分ではなく、財政面からの支援が必要」と述べた。BSPは、経済は2027年に回復し、GDP成長率が5.9%まで拡大すると見込んでいる。また、2026年のGDP成長率については政府目標の5.0%~6.0%を下回る4.6%にとどまると予想している。

一方、今後2年間の平均インフレ率は、2026年が3.6%、2027年が3.2%と、いずれも政府目標の2.0~4.0%の範囲内にとどまると見込まれている。フィリピン統計庁(PSA)の発表によれば、2026年に入ってからのCPI上昇率(前年同月比)は、1月が2.0%、2月が2.4%だった(添付資料図参照)。

マレーシアに本社を置くメイバンクのエコノミストは、インフレ率と今後の経済成長率の動向次第では、2026年内にさらに1回の利下げを行い、主要金利は4.0%となると予想している(2月23日付「インクワイアラー」紙)。また、ドイツ銀行は、第1四半期のGDP成長率の結果次第で、6月に開催される次回の金融政策定例会合において、0.25ポイントの利下げが行われる可能性があると予想している(2月24日付「インクワイアラー」紙)。

一方、フィリピンを拠点とするIBON財団のソニー・アフリカ事務局長は、「世界経済の不確実性、国内サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)さ、フィリピン人の購買力の限界を踏まえると、今回の利下げは企業の投資促進には大きな効果は期待できない」「金利はインフラ投資や不動産投資を押し上げる可能性はあるものの、『機械、設備、製造能力』への継続的な投資がなければ、生産性向上は限定的にとどまる」とコメントした。

(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)

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