2025年GDP成長率は4.4%、洪水対策予算問題で建設業の成長にブレーキ
(フィリピン)
マニラ発
2026年03月02日
フィリピン統計庁(PSA)は1月29日、2025年の実質GDP成長率が前年比4.4%だったと発表した(添付資料表参照)。2024年の5.7%を下回り、政府が掲げていた年間目標の5.5~6.5%に到達しなかった。また、2025年第4四半期(10~12月)は前年同期比3.0%で、前年同期の5.3%を大きく下回った。四半期別では、新型コロナ禍後の2021年第1四半期(マイナス3.8%)以来の低い水準となった。
産業別では、農林水産業は3.1%(前年:マイナス1.5%)、鉱工業は1.5%(5.6%)、サービス業は5.9%(6.7%)だった。鉱工業のうち、製造業は2.5%(3.7%)、電気・ガス・水道業は0.2%(7.3%)にとどまった。また、2024年に10.2%と好調だった建設業は、2025年後半の洪水対策の支払いをめぐる問題などを受けて、マイナス0.2%だった。
需要項目別では、GDP全体の72.6%を占める民間最終消費支出が4.6%(前年:4.9%)だった。自然災害による食品などの価格高騰で家計支出が伸び悩み、2025年第4四半期は3.8%にとどまった。また、インフラ開発事業が停滞し、建設活動が抑制される中、第4四半期の政府最終消費支出と国内総固定資本形成の成長率はそれぞれ3.7%とマイナス10.9%に縮小した。これに伴い、2025年通年では政府最終消費支出が9.1%(7.3%)、国内総固定資本形成はマイナス2.1%(7.7%)だった。
経済企画開発省(DEPDev)のアルセニオ・バリサカン長官は、2025年の経済成長率について、「洪水対策予算問題によって、企業や消費者の政府に対する信頼を低下させたことは事実だ」とした。一方で、「天候や気候関連の混乱も影響した」と述べた上で、「フィリピン政府は2026年の国民の信頼回復に向け、引き続き尽力している」と強調した。
ANZリサーチのチーフエコノミストであるサンジャイ・マトゥール氏は、「政府内の問題が解決されない限り、フィリピンの経済成長の見通しは依然として低い」と指摘した。一方、メトロポリタン銀行・トラストカンパニー(メトロバンク)のチーフエコノミストであるニコラス・マパ氏は、「2025年のGDPの低成長が、(2026年)2月の金融政策委員会の定例会合での利下げに影響する可能性がある」と述べた。
(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)
(フィリピン)
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