英財務相、春季経済見通しを発表、2026年GDP成長率は1.1%と予測

(英国)

ロンドン発

2026年03月06日

英国のレイチェル・リーブス財務相は3月3日、経済および財政の最新状況を示す春季経済見通し(Spring Forecast)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。予算責任局(OBR)の予測では、2026年の実質GDP成長率は、2025年11月の秋季予算時点の予測値である1.4%から、1.1%に下方修正が行われた。

春季経済見通しでは、生活費負担の軽減、国の債務削減、そして経済成長の実現という政府の主要目標に向け、政策が着実に前進していることが示された。また、インフレ率の低下や政府の借入額の減少を受けて経済成長が持続し、物価上昇分を差し引いた人々の可処分所得は年間1,000ポンド(約21万円、1ポンド=約210円)増加すると予測されている。

リーブス財務相はまた、世界情勢の不確実性が増す中、英国経済を外部の衝撃から守り、労働者家庭を支えるため、現行の経済計画はこれまで以上に重要だと強調した。

生活費負担の軽減が最優先課題、国の債務も削減

OBRは、インフレ率が2026年後半には2%の目標水準に戻ると予測しており、これは2025年11月時点の見通しである2027年第1四半期より早い時期となる。また、2025年11月の秋季予算で決定された生活費負担軽減策によって(2025年12月2日記事参照)、2026〜2027年のインフレ率を0.4ポイント押し下げる効果があると見込まれている。

政府は生活費負担の軽減を最優先の課題と位置づけ、最低賃金の引き上げや30時間の無償保育の財源確保、3人目以降の子供への給付制限撤廃など、家計を支える幅広い施策の導入を進めている。

財政面では、2025年11月時点の予測より借入額が約180億ポンド減少し、2026年の借入額は過去6年間で最低水準となり、22年ぶりにG7諸国の平均を下回る見通しだ。

また、債務利息支出も2025年11月の予測より約40億ポンド削減される見込みであることから、国営医療サービス(NHS)や公共交通機関といった重要な分野に資金が振り分けられる。同時に、政府は無駄な支出の削減を進めており、2025年度の予備費の使用額は過去10年で最低水準で、公的財政の安定を維持していることを示すものだとした。

(注)英国政府は2025年12月、毎年行われていた春季予算案の発表を終了し、2026年以降は中間報告を実施することに変更したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。

(植松麗良)

(英国)

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