AI産業が2030年までに10兆元規模へ、新技術で成長加速
(中国)
上海発
2026年03月19日
中国で3月6日に開催された第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の経済分野の記者会見において、国家発展改革委員会の鄭柵潔主任は、第15次5カ年(2026~2030年)規画の終了までに、人工知能(AI)関連産業の規模が10兆元(約230兆円、1元=約23円)以上に成長するとの見通しを明らかにした。中国政府は、「人工知能+(AIプラス)」行動を重要な国家戦略に位置づけており、2024年の政府活動報告で初めて提唱し、2025年8月には「AIプラス行動の実施徹底に関する意見」を発表して積極的な推進の方針を示している(2025年9月3日記事参照)。
工業情報化部によれば、2025年時点で中国のAIコア産業規模は1兆2,000億元を超え、関連企業は6,200社以上に上る。一定規模以上の製造企業におけるAIの普及率が30%を超え、中国企業がリリースした人型ロボットは300機種以上になり、世界シェアの半分以上を占めるなど、AI産業の高度化が進んでいる。
国家目標を受けて、地方政府も具体的な行動計画を打ち出している。北京市経済技術開発区は2026年1月、「全域AI都市の加速建設実施方案(2026~2027年)」を発表した。同区には既にAI産業チェーンのコア企業600社以上が集積し、産業規模は800億元を突破している。2027年末までに、AI産業チェーンコア企業を1,000社集積させ、AI関連個人創業者・独立開発者を1万人以上誘致し、スマート経済のコア産業規模の躍進的な成長を目標としている。
さらに、中国のAI企業は国際舞台でも存在感を増している。新華社の報道によると、2026年3月2~5日にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレス(MWC2026)に中国企業350社以上が出展し、次世代技術を披露した。同展示会に出展した栄耀(HONOR)は、世界初のロボットフォンを発表。同製品は、従来のスマートフォンの形態を覆すものとなっており、AIが「脳」としてカメラを制御し、能動的な追跡やインテリジェントな撮影を実現するとしている(「新華網」2026年3月3日)。
AIプラスは産業パラダイム転換の原動力に
新華社によると、北京理工大学の尹西明教授は、中国ではDeepSeek、豆包、千問など世界的影響力を持つ大規模モデルの製品とアプリケーションが次々と現れ、スマートフォンなど端末においても市場化の模索が行われていると指摘する。第15次5カ年規画期間中に、AI技術が企業のコア業務により深く融合し、産業パラダイム転換の原動力となるとの見方を示している(「経済参考報」2026年3月9日)。
(龐婷婷)
(中国)
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