米シカゴ連銀経済報告、1月~2月前半の経済活動はわずかに増加
(米国)
シカゴ発
2026年03月11日
米国連邦準備制度理事会(FRB)が3月4日に公表した地区連銀経済報告
(ベージュブック、注1)の中で、米国中西部の一部地域(注2)を管轄するシカゴ連銀は、1月から2月前半にかけての同地域の経済活動について、報告期間中わずかに増加した(rose slightly)と報告した(2026年3月5日記事参照)。今後1年間の経済活動については、わずかな増加を予想している。
同地域の経済活動を分野ごとにみると、雇用は横ばい(flat)となった。今後1年間については、わずかな増加を見込んでいる。調査対象者の多くは労働市場が安定していると報告し、ある調査対象者は「採用も解雇もない」状況と回答した。賃金と福利厚生費は緩やかに(moderately)上昇した。
個人消費は、わずかに(slightly)増加した。自動車を除く小売支出は控えめに(modestly)増加した。宝飾品や衣料品の購入増加が指摘された一方、コンピュータ・電子機器・家具・家電は支出全体の伸びを下回り、裁量的支出は鈍化した。
企業支出は全体的に横ばいとなった。設備投資はわずかに増加し、今後1年間の支出はわずかな増加を見込んでいる。原材料不足の報告は少なかったが、アルミニウム不足が指摘された。また、一部の製造業関係者は、変圧器や半導体などの電気部品のリードタイムが長いと指摘した。
製造業の需要は控えめに増加した。化学品生産は自動車・医療機器部門の需要の減退などによりわずかに減少した。鉄鋼販売はデータセンターやエネルギー関連のインフラ投資の堅調な需要が、建設部門の弱さを上回ったためわずかに増加した。
2026年の地区内での農業所得は、2025年と同水準になると予想した。肥料を中心に投入資材価格の高騰が農家の懸念材料となった。トウモロコシ価格の下落を大豆・小麦価格の上昇が相殺し、作物価格は全体としてわずかに上昇した。米国農務省(USDA)が貿易摩擦や市場混乱によって被害を受けた農家を救済するための一時的な支援金「農家ブリッジ支援(FBA)プログラム」を2025年12月に発表したことにより農業所得は押し上げられる見通しとなったが、一部の経営者は貯蔵作物を売却して支払いや債務返済に充てるとしている。調査対象者らは、「大きく美しい1つの法案法(OBBBA)」関連の政府補助金の増加が、作物保険の適用範囲拡大と加入率向上につながると予想している。
個々の調査対象項目ごとの詳細は添付資料表参照。
(注1)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立ち、年8回公表されており、銀行からの報告やビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。
(注2)アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州南部。
(星野香織)
(米国)
ビジネス短信 a4ee1c36589fc362






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