2月の米地区連銀報告、先行きはやや楽観的な見方

(米国)

ニューヨーク発

2026年03月05日

米国連邦準備制度理事会(FRB)は3月4日、2026年2月の地区連銀経済報告(ベージュブック、注)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。2026年1月6日~2月23日のデータに基づく。全体概況は7地区でわずかから緩やかの間で増加、5地区で横ばいまたは減少したと報告した。横ばいまたは減少とした地区は前月よりも1地区増加した。一方、先行きに関しては、「ほとんどの地区で今後数カ月の間、わずかから緩やかの間での増加を期待している」とされており、比較的楽観的な見通しが多いもようだ。

分野別では、消費は、全体としてはわずかに増加したものの、2地区は引き続き減少を報告するとともに、多くの地区では経済の不確実性、価格感応度の高まり、低所得者層の消費支出の抑制が売り上げを圧迫していると報告している。特に自動車の売り上げは、価格高騰の影響もありほとんどの地区で減少しているもようだ。ただし、天候要因や移民の取り締まりなども一部影響しており、この点も考慮する必要があるかもしれない。

ビジネス活動に関しては、データセンターやエネルギー関連セクターからの受注が増加し、製造業の活動が改善したことが述べられている。なお、サプライマネジメント協会が発表している景況感指数などでも、2026年に入って以降、同様の傾向がみられている。

労働市場に関しては、「雇用水準はここ数週間安定し、7地区ではほとんど変化がなかった」と報告した。また、(1)投入コストの上昇や需要の低迷、経済状況全般にわたる不確実性により雇用水準が低調に推移していると報告する地区があったこと、(2)生産性向上を主目的として人工知能(AI)・自動化技術を導入している地区や業種が複数存在していること、(3)熟練工など一部の分野で人材獲得競争が激化する中で賃金上昇もみられること、などがあわせて報告されている。

物価については、「緩やかに上昇した」とし、地区別では8地区が「緩やかな上昇」、4地区が「わずかから控えめの間での上昇」だった。引き続き関税がコスト上昇の一因となっていることには変わりはないが、内容面では保険、公共料金・エネルギー、金属・その他原材料といった企業の投入コストの上昇が指摘されている。これは、このところの企業物価指数の上昇外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと内容・幅ともに一致している。他方、消費者への転嫁は依然として限定的とみられ、価格上昇分の多くを企業が負担しているかたちとなっている。

(注)米国にある12の地区の連邦準備銀行が、それぞれ管轄する地区の経済状況について銀行からの報告やビジネス関係者などの声を基にまとめたもので、年8回公表されている。

(加藤翔一)

(米国)

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