東京都内で、ホライズン・ヨーロッパの日本準参加にかかるセミナー開催

(EU、日本)

調査部欧州課

2026年03月31日

駐日EU代表部は326日、東京都内でセミナー「日・EU間の研究・イノベーション協力強化に向けた新たな機会」を開催した。EUの研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ(HE)」への日本の準参加(2025年12月26日記事参照)の意義を共有するとともに、EUとの具体的な連携の可能性やパートナーシップ形成の道筋を示すイベント。

セミナーの冒頭で、駐日EU代表部のジャン=エリック・パケ特命全権大使が歓迎あいさつを行った。また、来日中の欧州委員会 研究・イノベーション総局(DG RTD)イノベーション・繁栄・国際協力担当副総局長で、HE準参加の主任交渉官クリスティーナ・ルッソ氏、日本外務省の軍縮不拡散・科学部審議官(大使)の松本恭典氏がそれぞれ基調演説を行った。両者は、日本とEUが研究・イノベーション分野で協力することで、経済安全保障や競争力強化、技術主権の確立といった両国共通の政策にも貢献することになると期待を示した。また、次回日EU定期首脳協議で日本が正式な準参加国になるための署名を予定しているとした。

写真 欧州委のルッソ氏(駐日EU代表部提供)

欧州委のルッソ氏(駐日EU代表部提供)

準加盟国の交渉に参加した内閣府、文部科学省、経済産業省の高官と、欧州委の通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局(DG Connect)副総局長のトマス・シュコダス氏、東北大学の小谷元子理事もそれぞれ演説を行った。

続いて、HEで日本国内の公式窓口〔ナショナルコンタクトポイント(NCP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕を担う日欧産業協力センターの小田芙美子氏がHEの概要説明を行い、公募トピックを探すツール(EU補助金・公募ポータル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2026~2027年のワークプログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)や、コンソーシアム(注1)組成のためのパートナーの探索方法(インフォ・デイズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどのイベント利用、Enterprise Europe Network外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、欧州委のCORDIS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますHEのダッシュボード外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を紹介した。

欧州委のDG RTD国際協力ユニットのエマニュエル・ショービン氏は、2025年7月に欧州委が提案した2028~2034年の次期EU中期予算計画(MFF)の一環としてのHE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますについて説明した。次期HEのプログラム構成としては、現行の3本柱(「卓越した科学」「競争力と社会」「イノベーション」)に加えて、4本目の柱「欧州研究圏」(注2)が加わる。また、公募における手続きの簡素化や、分野横断的な公募テーマの形成、軍民両用(デュアルユース)技術を支援対象に含めることが検討されているとした。

写真 欧州委のショービン氏(駐日EU代表部提供)

欧州委のショービン氏(駐日EU代表部提供)

HEの成功事例として、2021年から準参加国でHEの全ての柱に参加するノルウェーの代表として駐日ノルウェー大使館の職員が登壇。また、東京理科大学の代表者がHEに採択された国際共同研究プロジェクト「GREENART」での絵画修復活動について説明した。

(注1)日本の準参加の対象となるHEの第2の柱「グローバル課題と欧州の産業競争力」の研究開発公募の多くは、異なるEU加盟国・準加盟国から少なくとも3カ国(うち1つ以上はEU加盟国)に所在する独立した機関・企業から成る国際コンソーシアム形成が必要となる。

(注2)EU全域において、研究、イノベーション、技術のための単一かつ国境のない市場を創出するという構想。

(森友梨)

(EU、日本)

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