12月の米個人消費支出は前月比0.1%増、インフレの加速と消費の鈍化を反映
(米国)
ニューヨーク発
2026年03月04日
米国商務省は2月20日、2025年12月の個人消費支出(PCE)
を公表した。労働需要の低迷に伴って雇用者報酬が低下する一方、インフレ率の伸びが再び強まったことなどにより、実質ベースでみた際の消費は鈍化した。
所得関連では、個人所得が名目ベースで前月比0.3%増(前月0.4%増)となった。内訳では、雇用者報酬は前月比0.2%増(寄与度0.1ポイント)となった。労働需要の低下を受けて賃金の伸びが低調に推移したかたちだ。12月は雇用者報酬の伸びの低下を所得移転(前月比0.8%増、寄与度0.1ポイント)が補ったかたちだが、これは国内電力会社が支払った和解金支払いによる特殊要因と説明されており、所得の伸びの基調自体は全体の数値よりも低調とみられる。また、物価上昇が影響して実質可処分所得の伸びはほぼゼロにとどまったほか、貯蓄率も3.6%と極めて低水準になっている(添付資料表1参照)。
物価関連では、PCEデフレーターは、前月比0.4%増(前月は0.2%増)、前年同月比2.9%増(前月は2.8%増)、変動が大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は前月比0.4%増(前月0.2%増)、前年同月比3.0%増(前月2.8%増)といずれも前月から増加し、市場予想を上回った(添付資料表2参照)。また、米国連邦準備制度理事会(FRB)が参照するコア指数の3カ月前比、6カ月前比は、それぞれ3.1%増(前月2.4%増)、2.9%増(前月2.7%増)でいずれも前月よりも伸びが加速した。項目別にみると、レクリエーションや外食サービスをはじめとするサービス価格の伸びが寄与した。
こうしたフロー面での家計の低調さやインフレ率の上昇を反映して、個人消費支出は、実質ベースでは前月比0.1%増(前月0.2%増)と伸びが低下した。実質ベースの内訳では、財(前月比0.5%減、寄与度マイナス0.2ポイント)の伸びが幅広い品目で減少に転じ、小売統計(2026年2月12日記事参照)が示唆していた年末商戦終盤の失速と同様の傾向を示している。他方、サービスは医療サービスや海外旅行、金融サービスなど富裕層消費に近い項目を中心に堅調さを維持している(添付資料表3参照)。
12月の消費支出の低調さは、労働市場が減速する中で中位より下の所得階層が支出を控え、所得階層による消費のK字構造が拡大していることを示唆している。
(加藤翔一)
(米国)
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