インド政府、中国など国境を接する国からの投資緩和を承認

(インド、中国)

調査部アジア大洋州課

2026年03月12日

インド政府は3月10日、インドと国境を接する国(LBC)からの投資に関するガイドラインの変更を閣議で承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、今後、中国などからの投資規制が一部緩和される見通しだ。今回の規則変更の主なポイントは次のとおり。

(1)「実質的支配者(Beneficial Owner:BO)」の要件

実質的支配のうちLBC投資家の出資比率が10%までの場合、外国為替管理規制の参入ルート(entry routes)制限や業種別出資上限規制(sectoral caps)などに抵触しなければ、自動認可ルートにより投資計画が許可される。この場合、投資先企業がインド商工省産業国内取引促進局(DPIIT)に対して報告義務を負う。

(2)特定分野に関する投資認可の迅速化

資本財、電子資本財、電子部品、ポリシリコンやインゴット・ウエハーの生産にかかるLBCからの投資計画については、これまでどおり政府認可ルートだが、60日以内に投資許可判断が行われる(対象となる分野については今後見直しの可能性あり)。この場合、投資先企業の株式および支配権のマジョリティーがインド居住者市民および(または)、インド拠点企業にある必要があり、常にインド人がコントロールしなければならない。

DPIITが2020年4月に発表した外国直接投資(FDI)政策の改正により、対インド直接投資について、政府による事前許可制の対象国をパキスタンとバングラデシュの2カ国から、「インドと国境を接する国もしくは対印投資の主体者がインドと国境を接する国に居住しているか、そのような国の市民である場合」という条件に拡大(2020年4月27日記事参照)、中国なども対象に含まれることとなった。DPIITによれば、2000年4月~2025年12月の中国からの対インド投資額は合計25億1,252万ドルで全体の0.32%と限定的だ。一方、印中間の貿易収支は、2025年に前年比13.3%増となる1,067億8,700万ドルのインド側の赤字を計上しており、2020年以降、貿易収支の赤字幅は拡大している。

今回の改正で、中国企業によるインド企業への技術的な支援を可能とする環境を整備し、経済安全保障とのバランスを取りながら、国内産業の育成を目指すものとみられる。特に中国からの輸入に依存している電子部品や太陽光セルについては、中国企業による投資も一部許容することによって、国内での生産を推し進めていく狙いがあるとみられる。

(深津佑野)

(インド、中国)

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