大型投資奨励制度(RIGI)の申請期限が1年延長、日本勢の参画にも期待
(アルゼンチン)
海外ビジネスサポートセンターグローバルサウス課
2026年03月27日
アルゼンチン政府は2月19日、大型投資奨励制度(RIGI)の改正施行規則(政令105/2026号
)を公布した。2024年8月27日に公布された施行規則(政令749/2024号、注1)を改正したもの。
RIGIは、政府が定める8つの対象分野における2億ドル以上の新規投資案件を対象に、所得税と輸出入税の減免や資本取引規制の例外措置の適用などの優遇措置を与える制度だ(注2)。今回の改正は、RIGI適用申請期限が1年延長されたほか、一部不明確だった対象分野や加速度償却の運用が明確化された。主な改正点は次のとおり。
- RIGI適用申請期限を2027年7月8日まで1年間延長。
- 石油・ガス分野において、炭化水素のオンショア探鉱・生産がRIGIの対象(最低投資額:6億ドル)であること、オフショア探鉱・生産の最低投資額が2億ドルであることを明記。
- テクノロジー分野(注3)における、既存事業への追加投資を「拡張(Ampliación)」としてRIGIの対象とするための基準を明確化(最低投資額は2億5,000万ドル、市場での製品ライフサイクルが10年以下であるものに限られるなど)。
- 法人税の加速度償却についての運用を明確化〔VPU(注4)が主体となり通常の償却か加速償却のいずれかを選択するなど〕、配当・利益送金についての運用を明確化
- RIGI登録サプライヤーに関する取り扱いの精緻化〔EPC契約(注5)などを想定した、インフラ事業に組み込まれる際の上限額(供給総額の50%以内)など〕
現地報道などによると、2024年10月22日の申請受け付け開始から27件の申請があったとされる。これまでに10件が承認されており、全プロジェクト合計で投資額は150億ドルを超える(2026年1月27日記事参照)。日本企業による申請はまだないが、RIGI適用企業には税の優遇恩典が与えられるほか、国際仲裁制度を使った紛争解決も認められている。また、RIGI適用プロジェクトに財やサービスを提供する企業にも、関税上の優遇措置など一部恩典が与えられる。こうしたことから、製造業に限らず、今後アルゼンチンで実施されるとみられている銅鉱山を対象とした新規開発プロジェクトについても、RIGIが投資および資機材提供の双方で日本企業の参入を後押しする可能性がある。
(注1)改正前の施行規則(政令749/2024号)については2024年8月27日記事参照。
(注2)大型投資奨励制度(RIGI)の概要については調査レポート「アルゼンチンの大型投資奨励制度」(2025年2月)参照。
(注3)バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、モビリティー(電動・ハイブリッド)、エネルギー転換技術、航空宇宙・衛星産業、原子力産業、ソフトウエア産業、ロボット産業、人工知能、軍需・防衛産業を指す。
(注4)Vehículo de Proyecto Únicoの略。RIGIの優遇を受けるために設立・指定される事業体。
(注5)設計・調達・建設を含む建設工事請負契約のこと。
(母良田政秀)
(アルゼンチン)
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