承認案件が徐々に増加、大型投資奨励制度(RIGI)
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2026年01月27日
アルゼンチン政府は1月15日、ハビエル・ミレイ政権の唯一ともいえる投資促進策である大型投資奨励制度(RIGI)の10件目の適用案件として、ミナス・アルヘンティーナスの金・銀鉱山開発プロジェクトを承認した。
RIGIの適用を受けるには、最低2億ドルの投資を伴う新規投資案件かつ政府が設定する特定の戦略的産業に合致する必要がある。適用案件は、輸出により取得した外貨を自由に使えるなど資本取引規制の例外的措置、輸出税の免除、所得税の減免などの税制優遇措置の適用を受けられるほか、連邦政府や地方自治体との間に係争を国際仲裁に持ち込めること、RIGIを地方自治体が批准することでRIGIを劣後させるローカルルールの導入を封じていることなど、RIGIはビジネスリスクを緩和させる仕組みとなっている。最終的な投資額が10億ドルを超えるプロジェクトは長期戦略輸出案件の認定を受けることもでき、ロイヤルティーへの課税免除など、より多くの優遇措置が適用される。
これまでに政府が承認した案件は、ミナス・アルヘンティーナスの案件を含めて添付資料表1のとおりだ。これをみると、鉱山、エネルギーに関係する案件が目立つ。このうち長期戦略輸出案件は3つだ。
政府は、企業から申請のあった案件を公表していないが、注目されているのは、投資額が大きいスイスのグレンコア、BHP(オーストラリア)・ルンディン(カナダ)の2つの投資案件だ(添付資料表2参照)。前者の申請額は135億ドル、後者は申請額を公表していないが、プレスリリースの中で長期戦略輸出案件の適用を目指しているとしており、大きな投資案件になることが想定される。
RIGIをその一部とした基盤法を審議していた2024年当時から多国籍企業や大企業ばかりを優遇しているとの批判が存在した。そのため政府は、中規模投資奨励制度(RIMI)と呼ばれる新たな制度の導入を目指している。この制度は、労働現代化法案の中に盛り込まれており、適用対象となるのは、法律24467号(中小企業法)と経済省決議が定める条件に合致する中堅・中小・零細企業。最低投資額が15万ドル(零細企業)から900万ドル(中堅企業)まで設定されている。優遇措置として加速度償却、付加価値税の早期還付などが設定されている。
将来の輸出につながる直接投資の拡大は、外貨準備を安定的に蓄積したい政府にとって重要な課題となっている。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
ビジネス短信 ed58bff89506460d




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