中国初の商用自律航行コンテナ船が完全自律で青島港に入港・接岸、航行から荷役まで無人化実現
(中国)
青島発
2026年03月03日
中国交通運輸部および山東省海事局の発表によると、中国で初めての商用運航を目的としたスマート航行コンテナ船「智飛」号が2月21日、山東省の青島港で、水先人の乗船やタグボートの支援、作業員によるロープ操作を必要とせず、無人自律航行モードによってバースエリアに進入し、埠頭(ふとう)に備え付けられた真空式自動係船システムによる自動係留が行われた。続いて、埠頭に配置された自動化ガントリークレーンや自動誘導車(AGV)などの全自動荷役設備が連携し、積み降ろし作業を行った。発表によると、中国でコンテナ船が完全自律で接岸し、全自動化埠頭で荷役まで行ったのは今回が初めてで、船舶の航行から接岸、荷役に至る全プロセスの無人化が達成されたことになる。
「智飛」号は、山東省海事部門が進める「交通強国」(注)建設試行事業の核心成果とされ、中国国内で自主開発されたスマート航行基幹システムを搭載している。発表によれば、同船舶は世界で最も早く自律航行能力を備えた船舶の1つであり、中国国内初の商業運航を目的とした初のスマート輸送貨物船となった。同船舶は有人運航、遠隔操作、無人自律航行の3つのモードを備えており、今回の青島港自動化埠頭への入港では無人自律航行モードが採用された。
同船が所定位置へ到達した後、青島港自動化埠頭に設置された真空式自動係船システムが真空吸着パッドで船体を強力に固定した。同作業は30秒で完了し、全過程で係船作業員を必要とせず、係留作業の安全性が大きく向上するとともに、船舶の接岸時間が短縮されたという。同船を利用すると、年間で200時間以上の接岸時間が削減できる見込みで、これは1つのバースで年間10隻以上の船舶を追加で受け入れられる作業能力に相当するとされる。
(注)「交通強国」は中国中央政府が掲げている目標であり、2025年10月に発表された「国民経済と社会発展の第15次5カ年規画」(対象期間は2026~2030年)の建議でも交通強国の発展を加速させることが盛り込まれた(2025年10月27日記事参照)。また、中国共産党中央委員会および国務院が2019年9月に発表した「交通強国建設綱要」においては、スマート高速鉄道、スマート道路、スマート海運、自動化埠頭、デジタル管網、スマート倉庫・仕分けシステムなどの新型設備・施設を広く活用し、次世代スマート交通管理システムを開発するとされている。
(董玥涵)
(中国)
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