紅海・スエズ運河における通航量は大きな変動なし、喜望峰ルート迂回が継続

(中東、アフリカ、エジプト、日本、世界)

調査部中東アフリカ課

2026年03月13日

IMFの「PortWactch外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、2026年3月8日のスエズ運河の通航隻数は35隻、2026年3月2日から3月8日までの1週間の1日当たり平均は40.6隻だった。中東情勢悪化の中においても、2026年2月単月の通航隻数(1日当たり)の平均39.1隻、2025年の年間平均38.2隻と比べて大きな変化はない。

中東地域に位置する重要な海上交通の要所となる紅海情勢においては、2023年11月以降、イエメンの武装組織フーシ派による紅海周辺での船舶攻撃により、スエズ運河の通航が激減し、多くの国際物流会社が紅海ルートを避け、南アフリカ共和国の喜望峰ルートで迂回するかたちとなっていた(地域・分析レポート特集「地政学的影響を踏まえた中東・アフリカの物流動向」参照)。IMFの「PortWactch」の喜望峰ルートの通航量をみても、2026年3月上旬時点では大きな変動は見られず、迂回が継続している状況だ。

なお、2026年1月時点では紅海情勢は落ち着いていたため、大手海運会社が紅海ルートの利用を再開する動きを見せていたが、中東情勢悪化を受けて、紅海ルート再開を停止している。

ホルムズ海峡は通航停止状態

イスラエルおよび米国が2月28日、イランに対する攻撃を実施(2026年3月2日記事参照)し、これに対しイランから中東諸国の米軍基地や港湾、民間施設などへの反撃があり中東広域で情勢が悪化した。さらに、イラン・イスラム革命防衛隊がホルムズ海峡を通過する船舶を攻撃するとの警告を出し、多くの海運会社はホルムズ海峡の航行を控えている(2026年3月4日記事参照)。英国海事機関(UKMTO)の発表(3月12日)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいても、ホルムズ海峡近辺での警戒情報や攻撃情報が多く、紅海近隣での警戒情報は少ない。

現地情勢については、特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」、物流事情については、特集「中東・アフリカにおける物流とインフラプロジェクトの動向を探る」も参照。

(井澤壌士)

(中東、アフリカ、エジプト、日本、世界)

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