イスラエル、エジプトへの5兆円超のガス輸出契約を承認
(イスラエル、エジプト、米国、パレスチナ)
テルアビブ発
2025年12月22日
イスラエル政府は12月17日、エジプトへの天然ガス輸出に関する合意を承認した。契約総額は約1,120億シェケル(約5兆4,880億円、1シェケル=約49円)で、同政府はこの取引によって約580億シェケルの財政収入を見込んでいる。
今回の承認は、イスラエルのニューメッド・エナジーとエジプトのブルー・オーシャン・エナジーが2025年8月7日に締結したリバイアサン・ガス田からの天然ガス輸出契約に関する追加許可で、最大輸出量は1,300億立方メートルに及ぶ予定となっている。同ガス田の権益は、ニューメッド・エナジーが45.34%、米国シェブロンが39.66%、イスラエルのレシオエナジーズが15.00%を保有している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は12月17日のビデオ会見
で、「イスラエルの歴史上最大のガス契約であり、地域のエネルギー大国としての地位を大きく強化し、地域の安定に寄与する」と述べた。イーライ・コーエン・エネルギー相は「今回の合意は安全保障・外交面と経済面で歴史的意義を持つ」と述べるとともに、今回の承認は「これは国内市場への優先供給を保証する初の輸出承認であり、イスラエル市場向けガス価格を改善する仕組みも合意された」ことを強調した。
一方、エジプトのディア・ラシュワン国家情報サービス(SIS)長官は12月19日に声明を発表
し、イスラエルとの天然ガス契約について「純粋に商業的な取引であり、政治的な要素は一切含まれない」と強調した。さらに、「この契約は、東地中海におけるガス取引の唯一の地域ハブというエジプトの地位を強化するという明確な戦略的利益に資する。これは高度なインフラと巨額の投資を活用するものだ」と述べた。加えて、「エジプトのパレスチナ問題に対する立場は一貫しており、今回の契約は政治的姿勢に影響しない」と明言した。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、ジェトロのイスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエルとイラン情勢の特集を参照。
(中溝丘、テヒラ・シャラビー)
(イスラエル、エジプト、米国、パレスチナ)
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