2025年のメキシコ対内直接投資額は400億ドル超

(メキシコ)

調査部米州課

2026年03月25日

メキシコ経済省外国投資局(DGIE)は2月25日、最新の対内直接投資統計を発表した(注)。それによると、2025年の対内直接投資額(国際収支ベース、フロー)は408億7,100万ドルだった。前年比10.8%増となり、過去最高額を更新した(添付資料表1参照)。

投資額の構成比をみると、利益再投資が67.7%、新規投資が18.1%、親子間勘定が14.3%となった。新規投資は前年比132.8%増と大きく伸びた一方、利益再投資は3.7%の微減となった。国・地域別にみると、158億7,700万ドルを計上した米国が最も多く、全体の38.8%を占めたが、前年比3.8%減と縮小した。スペインが10.8%で2位、カナダが8.1%で3位、オランダが5.8%で4位と続いた。日本は、過去最高を記録した前年からの反動減で、前年比46.5%減の22億9,300万ドル(構成比5.6%)で5位だった。日本からの投資額の構成比をみると、利益再投資と新規投資の合計は前年を上回っているものの、親子間勘定がマイナスに転じている。

産業別にみると、投資額の36.3%を占める製造業は、前年比25.5%減と不調だった(添付資料表2参照)。米国の追加関税の影響を強く受ける自動車産業を含む輸送機器製造分野では、前年比31.3%減となったものの、自動車部品製造業は5.2%減と比較的影響が少ない。背景には、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を利用すれば自動車部品への追加関税が免除であるのに対し、完成車には1962年通商拡大法232条に基づく追加関税が賦課されることがあると考えられる。一方で、全体の18.4%を占める金融・保険が前年比27.4%増と好調だったほか、不動産・賃貸も前年比約4倍の12億1,700万ドルを記録した。州別では、1位の首都メキシコ市が前年比55.1%増と好調で、全体の過半数(54.8%)を占めた(添付資料表3参照)。続くヌエボレオン州も、2025年9月には米国の不動産投資会社ソー・エクイティーズが、同州内の大規模工業団地開発への1億2,800万ドルの投資を発表するなど、前年比72.9%増と好調だった。

クラウディア・シェインバウム大統領は2月26日の記者会見で、国連貿易開発会議(UNCTAD)が新興・途上国・地域の対内直接投資が前年比2%減少したと報告している(2026年1月22日記事参照)ことを引き合いに出し、「メキシコは戦略的な投資先であり続けている」と述べた。

(注)メキシコ経済省は2月25日のプレスリリースの後、3月中旬に詳細なデータを公表した。本記事はこのデータを基に執筆したもの。

(加藤遥平)

(メキシコ)

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