カナダ中銀、政策金利を2.25%に据え置き、3会合連続

(カナダ、米国)

トロント発

2026年03月27日

カナダ中央銀行は3月18日、政策金利を2.25%に据え置くと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(政策金利レート推移参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。金利の据え置きは3会合連続となる(2026年2月2日記事参照)。

中銀は、カナダ経済の減速やインフレ率の低下が進む一方で、中東情勢の悪化に伴うエネルギー価格の上昇が今後のインフレを押し上げる可能性があるとして、総合的な状況を踏まえ据え置きを決定した。カナダ国内では、GDPの落ち込みや労働市場の軟化、インフレ率のさらなる低下など、景気と物価の弱さが確認されている。他方、エネルギー価格の高騰に加え、国際情勢や貿易をめぐる不確実性も強まっており、景気の下振れリスクとインフレ再加速リスクが併存する状況にあり、中銀は慎重な政策運営が必要との姿勢を示した。発表の主なポイントは次のとおり。

〇国内経済:2025年第4四半期GDP成長率が前期比年率マイナス0.6%と、在庫調整の影響で予想以上の落ち込みとなった。一方で、消費と政府支出が堅調で国内需要は2%超の伸びを維持。労働市場は軟化し、2026年初頭にかけて雇用増が相殺され、失業率は6.7%に上昇した。インフレ率は1月(2.3%)に続き2月には1.8%へとさらに低下し、基調インフレも2%近辺で推移するなど、物価の落ち着きがみられる。

〇国際情勢・外部環境:中東情勢の悪化を受け、世界の石油・天然ガス価格が急騰しており、燃料価格上昇がカナダの総合インフレ率を押し上げるリスクが高まっている。また、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖に伴う輸送のボトルネックは、肥料を含む他の商品の供給にも影響を及ぼす可能性が指摘される。さらに、米国による関税政策や貿易を取り巻く不確実性も続いており、外部環境の不透明感は依然として強い状況にある。

発表を受けて同日、スコシアバンク・エコノミクスの副社長兼キャピタル・マーケッツ・エコノミクス責任者のデレク・ホルト氏は、「現時点で原油価格ショックの評価をするのは時期尚早。緩やかな需給ギャップとこれまでのインフレ率の軟化により、今のところ基調インフレ率への波及リスクは小さいが、ショックが継続または悪化すれば、対応せざるを得なくなる」と指摘した(エコノミクスインディケーターズ3月18日)。

中銀の次回の政策金利と、経済見通しを示す金融政策報告書の発表は、4月29日に予定されている。

(井口まゆ子)

(カナダ、米国)

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