トランプ米大統領、連邦政府契約業者の多様性、公平性、包摂性(DEI)活動を禁止する大統領令に署名

(米国)

ニューヨーク発

2026年03月31日

米国のドナルド・トランプ大統領は3月26日、連邦政府が主体となる契約において、契約業者およびその下請け業者による「多様性、公平性、包摂性(DEI)」に関する慣行を禁止する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに署名した。ホワイトハウスは同日、大統領令に関するファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公表した。

同大統領令は、次の5点を明記している。

  1. 「連邦財産・行政サービス法(注)」が適用される全ての連邦契約に、契約業者およびその下請け業者のDEI活動への従事を禁止する条項を含めるよう義務付ける。
  2. 行政管理予算局(OMB)に対し、契約業者による大統領令順守を確保するためのガイダンスを発行するとともに、DEI活動に従事する可能性のある経済セクターを特定するよう求める。
  3. 契約を発注する省庁に対し、大統領令の不順守を理由に契約の取り消し、解除、または停止をする権限、および契約業者を取引または指名停止とする権限を付与する。
  4. 司法長官に対し、DEI活動を禁止する契約条項に違反する契約業者または下請け業者に対する「虚偽請求防止法」に基づく訴えを優先的に処理するとともに、民間人によって提起された関連の民事訴訟を迅速に審査するよう求める。
  5. 連邦調達規則委員会に対し、同大統領令の内容を連邦調達規則(FAR)に盛り込み、同大統領令に矛盾する規定を削除するよう求める。

今回の大統領令は、トランプ政権が人種差別的とみなすDEI活動を禁止するこれまでの大統領令と同様、DEIが違法かつ不道徳な差別プログラムであるとの観点から、契約当事者が、実力に基づき平等かつ客観的に扱われるべきだというトランプ氏の主張に基づいている。

トランプ氏は、連邦政府で違法なDEIや「多様性、公平性、包摂性、アクセシビリティー(DEIA)」を強制する政策など、全ての差別的プログラムを廃止するよう指示する2025年1月の大統領令を皮切りに、これまでDEIを廃止する7つの大統領令を発令している(2025年1月28日記事2025年12月16日記事参照、これまでのDEI廃止に関する大統領令は添付表のとおり)。

(注)連邦財産・行政サービス法は、連邦政府による物品・サービスの調達を管理する政府調達局(GSA)の設立根拠となっている法律で、大統領に対し、政府調達の効率性や経済性を向上させるための政策や方針を策定する権限を与えている。

(久峨喜美子)

(米国)

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