パリ控訴院、シーインのサイト停止の第一審棄却判決を支持

(フランス、EU、中国)

パリ発

2026年03月27日

パリ控訴院は3月19日、ファストファッション大手のシーインのマーケットプレイス(第三者が自社商品を販売できるプラットフォーム)を停止するよう求めた、フランス政府の控訴を棄却する判決を下した。

フランス政府は2025年に、児童を模した成人向けの人形や特殊な武器に分類されるナイフなど違法な商品が販売されていたとして、シーインのサイトの停止を求めて提訴した。しかし、下級審のパリ司法裁判所はこの訴えを棄却(2025年12月24日記事参照)し、同年12月19日にフランス政府は判決を不服として控訴すると発表していた。

控訴院は、「政府の提訴を正当化していた損害はすでになくなっており、現在または将来確実に発生するという損害の立証はなく、シーインは違法な商品の削除のために迅速に対応しており、マーケットプレイスに出品される商品と出品者に講じた管理措置が効果を欠くという証拠は示されなかった」とし、第一審の判決を維持し、政府のシーインに対する他の請求もすべて棄却した。

控訴院は、パリ司法裁判所による成人向けの商品に関する本人の自己申告以外の年齢確認措置の実施命令は維持した。違反の場合、最大12カ月の間、違反1件につき1万ユーロの罰金を科す。

判決を受けて、政府は、「国およびEUレベルで法律を改正すること、ならびに電子商取引(EC)プラットフォームに対する制裁権限を強化することの必要性が、今回の司法判断により明確になった」とした上で、「政府は議員と協力して、その実現のために取り組んでいる」とした。

フランス政府の強い働きかけを受け、欧州委員会は2026年2月17日、デジタルサービス法(Digital Services Act、DSA)に基づき、シーインに対し正式調査を開始すると発表した。フランス政府は、同社のプラットフォームへの依存性を誘発する設計やアルゴリズムの透明性の欠如、違法な商品の販売などを問題視している。同法の違反が立証された場合、世界の売上高の最大6%に相当する制裁金が科される。

3月1日には、シーインやテム(Temu)などウルトラファストファッションに対抗する措置として、EU域外からの越境ECによる150ユーロ未満の少額輸入貨物について、商品1品目ごとに2ユーロの課税措置が導入された。現地報道によると、課税の導入後、ベルギーやオランダなど近隣諸国に到着する空輸便が増加している。

(クロティルド・クニッグスドーファー、奥山直子)

(フランス、EU、中国)

ビジネス短信 5219fe664b37de00