オランダ新政権、交通インフラにおけるアクセス性確保を重視した政策を示す

(オランダ)

アムステルダム発

2026年03月18日

オランダでは1月30日、新政権の発足に向けた連立合意書が公表され(2026年1月23日記事参照)、2月23日にロブ・イエッテン新首相の新政権が正式に発足した。同合意書には主要政策・優先分野が説明されているが、円滑に機能する交通インフラがオランダの経済的成功の基盤であるとの考え方に立ち、交通分野全体でアクセス性の確保を重視する方針を示している。あわせて、鉄道・公共交通および航空分野についても施策が整理されており、航空分野ではスキポール空港のハブ機能がオランダ経済にとって重要であることが明記されている。

こうした政策方針が示される中、スキポール空港では、中長期的な再整備に向けた取り組みが進められている。2025年11月に公表された同空港の投資計画では、今後10年間で約100億ユーロを投じて空港インフラの改善・拡張を進めるとしている。計画には新ターミナルの建設や滑走路に接続する搭乗設備(ピア)の改修などの施設整備が含まれる。また、投資額の数億ユーロは国外の小規模な地域空港への投資に充てられるとされる。同空港はこの投資計画に加え、2025~2035年を対象とする中期戦略(Strategic Plan 2025–2035)や、2050年を見据えた長期ビジョン(Vision 2050)を公表している。これらの文書では、空港運営やインフラ整備について段階的な計画の枠組みが示されており、環境負荷への対応やサービスの質の向上、国際的なネットワークの維持などが、中長期戦略における重点項目として位置付けられている。

また、交通分野の実務的な取り組みとして、オランダではインフラ・水管理省(IenW)とスキポール空港、鉄道インフラ運営会社(ProRail)、オランダ航空(KLM)、オランダ鉄道(NS)が参加する鉄道・航空に関する行動計画(Actieagenda Trein en Luchtvaart)が策定されている。同計画は、国際中距離(最大約700キロ)移動を対象に、航空の代替・補完として鉄道の利用を促進することを目的としており、今後の国際的な移動需要の増加を見据え、航空と鉄道のネットワーク接続の改善を取り組むべき課題としている。これを受け、2025年11月に公表された同計画の実施状況に関する報告書(De potentie van Airrail in Nederland)では、鉄道と航空を組み合わせた移動について、代替や統合が想定されるケースやその影響が整理されている。また国境を越えるダイヤ調整や運賃・チケットの統合、運行主体の違いといった運用面・制度面の前提条件や制約も併せて示されている。

(奥井浩平)

(オランダ)

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