ジェトロ、シドニーでオーストラリア食品市場参入セミナーを開催
(オーストラリア)
シドニー発
2026年03月13日
ジェトロは3月4日、在シドニー日本総領事館と共催で、オーストラリアにおける日本食材の市場拡大をテーマとした「オーストラリア食品セミナー」を開催した。会場となったジェトロ・シドニー事務所には、日本食材を扱う卸売業者や輸入業者など約30人が集まった。本セミナーは、2026年の日豪友好協力基本条約署名50周年
事業の一環として実施された。
講師には、地場スーパーマーケット大手コールズでプライベートブランド(PB)部門責任者を務めた経歴を持つマーク・フィールド氏(Prof. Consulting Group最高経営責任者)を招き、現地の食品小売市場の構造や、市場参入のポイントなどについて解説した。
オーストラリアの食品小売市場は、ウールワースとコールズが合わせて6割以上のシェアを占める寡占市場だ。加えて、ディスカウント小売りのアルディや独立系小売りも一定の市場を持つ。特にPB商品の拡大が市場動向を左右しており、アルディでは売り場の大半をPB商品が占め、ウールワースやコールズも各価格帯でPB商品を強化している。
こうした市場では、短期的な取引よりも、長期的な供給体制の構築が重視される、と同氏は指摘した。大手小売りとの取引には、全国規模の供給能力や安定した在庫体制が求められるほか、食品安全認証の取得や、オーストラリア特有の検疫・表示制度への対応など、規制対応を整えることが市場参入の前提となる(2026年3月6日記事参照)。
市場動向としては、高たんぱく・高食物繊維など健康志向商品の伸長、プレミアム化、オンライン販売の拡大が挙げられた。一方、生活費上昇の影響で、低価格帯商品への買い替えの「トレードダウン」と、逆に高付加価値商品を購入する「トレードアップ」が、同時に進む二極化も指摘された。
セミナー終盤の質疑応答の中で同氏は、商品の価値が消費者に十分伝わらない場合、小売店での採用は難しいと指摘。具体的には、オーストラリアでなじみの薄かった発酵飲料「コンブチャ」が試飲販売などを通じて市場に普及した事例を挙げ、消費者理解を促す取り組みの重要性を説明した。その上で、日本企業が成功するには、消費者理解に基づく商品開発やブランド構築、SNSなどデジタル活用に加え、段階的な市場展開が重要と強調した。参加者からは、「市場の構造をあらためて理解できた」「同業者との貴重な意見交換の場となった」といった声も聞かれた。
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
(ストーリー愛子)
(オーストラリア)
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