オーストラリア・ニュージーランド、食品アレルゲン表示規定を改定、2月25日から新規定に完全移行

(オーストラリア、ニュージーランド)

シドニー発

2026年03月06日

オーストラリアおよびニュージーランドでは、2026年2月25日をもって食品アレルゲン表示の旧規定に関する経過措置が終了し、同日から新表示規定「Plain English Allergen Labelling(PEAL)」への完全移行が始まった。両国は共通の食品基準コード(FSC)に基づいた食品規制を運用しており、オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)は2021年に本改定を承認、2024年2月から段階的にPEALを導入してきた。新規定は国内製造品に加え、輸入食品にも適用される。

新規定の主な変更点は次のとおり。

  • 原材料欄でアレルゲンを太字表示する。
  • 原材料欄の同一視野内に「Contains(含む)」で始まる要約表示を記載する。
  • 「tree nuts」などの総称ではなく、アーモンド、カシューナッツなど原材料名別に明示する。
  • 穀物において小麦は表示対象、ライ麦・大麦・オーツはグルテン含有時に表示対象とする。
  • 一定量以上の亜硫酸塩も表示対象とする。

オーストラリアの研究機関(マードック子供研究所:MCRI)によれば、同国は、食物アレルギーの有病率が高い国の1つとされ、消費者の安全意識も強い。教育現場や職場、飲食店など幅広い場面で、アレルギーへの理解と情報共有を重視する「Allergy Aware」の取り組みが推奨されている。表示情報を基に消費者が自ら安心して判断できる環境整備が重要とされており、今回の改定はこうした社会的潮流を制度面から補強する動きと位置付けられる。

一方、製造過程で原材料同士の接触や加工整備・製造ラインの共有などによって、アレルゲンが意図せず混入する可能性を示す予防的アレルゲン表示(PAL)は引き続き任意扱いだ。運用は事業者に委ねられている。オーストラリアでは、食品リコールの一定割合が、未表示アレルゲンに起因すると公表されており、表示管理は企業リスクと直結する。オーストラリア、ニュージーランド向け製品は共通基準により一体的な対応が可能な一方、輸出企業にとってはラベル設計や表示内容の最終確認を徹底する必要がある局面となっている。

(ストーリー愛子)

(オーストラリア、ニュージーランド)

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