2月の消費者物価指数は大きな変化がないものの、先行きは要警戒

(米国)

ニューヨーク発

2026年03月12日

米国労働省が3月11日に発表した2026年2月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同月比2.4%上昇(前月2.4%上昇)、前月比0.3%上昇(前月0.2%上昇、季節調整済み)となった。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は前年同月比2.5%上昇(前月2.5%上昇)、前月比0.2%上昇(前月0.3%上昇)だった(添付資料図1、表参照)。いずれの数値も市場予想と一致した。

品目別に前年同月比での伸びをみると、エネルギー価格は、電気(4.8%上昇)、ガス(10.9%上昇)などのエネルギーサービスが上昇する一方、ガソリン価格が下落(5.6%下落)する構造は前回と同様で、全体としては0.5%上昇(前月0.1%下落)した。

また、家庭用食品(前年同月比2.4%上昇)、外食(3.9%上昇)でいずれも価格が上昇した結果、食料品価格は3.1%上昇(前月2.9%上昇)と高めの水準で推移した。

これらを除いたコア指数では、財価格が前年同月比1.0%上昇(前月は1.1%上昇)となった。内訳をみると、中古車価格が3.2%下落(前月は2.0%下落)した一方、衣料品は2.5%上昇(前月は1.7%上昇)と伸びが加速するなどまちまちの結果だった。サービス価格(2.9%上昇、前月も2.9%上昇)は、住居費(3.0%上昇、前月も3.0%上昇)および住居費を除くサービス(3.3%上昇、前月は3.4%上昇)ともに、変化はわずかだった(添付資料表、図2参照)。

一方、瞬間風速を示す前月比でみると、財部門は0.1%上昇(前月0.0%上昇)、サービス部門は0.3%上昇(前月0.4%上昇)だった。伸びが上昇・低下した主要な項目は、おおむね前年同月比で見られたものと同様だった。

2月は、特筆すべき目立った動きはほとんど見られない結果となった。しかし、3月以降はいくつか注意すべき点がある。1つは、イラン情勢に伴う影響だ。既に足元ではガソリン価格は1ガロン(約3.8リットル)3.5ドルを超え、2026年2月時点および2025年3月時点と比較して0.5ドル以上上昇している(注)。ガソリン価格以外にも輸送コストなど財・サービス価格の上昇につながり、3月のCPI統計では一時的に価格を押し上げる効果を持ちそうだ。もう1つは、企業物価外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、卸売業や運輸業などが提供するサービス料が大幅に上昇していることだ。これらの業種は、関税コストを自社で吸収しており、消費者への転嫁が限定的にとどめられていた。こうした業種による価格転嫁が続けば、小売企業も消費者にコストをこれまで以上に転嫁せざるを得ず、3~4月に行われる個人所得税還付のタイミングなどで価格転嫁される可能性(2026年2月24日記事参照)がより高まるだろう。こうした点から、今後数カ月間、インフレの先行きには注意が必要だ。

(注)全米自動車協会(AAA)が発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている、3月11日時点のレギュラーガソリンの全米平均価格は3.578ドル。

(加藤翔一)

(米国)

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