米アリゾナ州でAI・ライフサイエンスなど多様なビジネス環境の視察プログラム実施

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2026年03月12日

米国アリゾナ州のビジネス環境の調査を目的とした、日系企業による視察プログラムが3月4~5日に実施された。同プログラムは、在ロサンゼルス日本総領事館が主催し、アリゾナ商業公社(ACA)、アリゾナ州の投資誘致機関のフェニックス都市圏経済協議会(GPEC)、ジェトロが共催した。同プログラムには、日系企業など約40社、計50人ほどが参加した。近年、同州では半導体以外にも人工知能(AI)、航空宇宙、ライフサイエンスなど多様な分野でエコシステムの発展がみられるが、今回のプログラムはこうした先端技術をはじめとした成長分野について、日系企業が多面的に同州のビジネス環境を学ぶ機会となった。

初日は、ACAとGPECによる同州概況プレゼンのほか、州内最大の水道・電力会社であるソルト・リバー・プロジェクト、サウスウエスト・ミッション・アクセラレーション・センター(注)、米国最大の患者データ・ネットワークなどを有するメイヨー・クリニック、AI企業のニュークラーンによるパネルディスカッションなどが行われた。夜にはレセプションが開催され、プログラム参加者に加え、現地政府、企業など総勢約200人が参加する中で、積極的に交流が行われ、会の冒頭では覚書(MOU)署名式が実施された(2026年3月12日記事参照)。

同州の概況説明では、2020年から2025年までの外国直接投資額が全米で1位であることが紹介されたが、同州はそれぞれ世界4位と8位の経済規模を有するカリフォルニア州とテキサス州の間に位置し、カリフォルニア、アリゾナ、テキサス間で「テック・コリドー」が形成されるとともに、南方はメキシコにも接し、新たな世界的規模の製造業ハブとして要衝となっていることが強調された。また、例えば税制面では、同州の所得税率は一律2.5%だが、これは税率がゼロの地域を除けば、全米で最も低い水準であるなど、ビジネスフレンドリーな環境が紹介された。

2日目は、現地日系団体からの生活環境などのプレゼンのほか、アリゾナ州立大学(ASU)や起業家のためのイベントおよびプログラムを主催するスタートアップ・カフェを訪問した。全米最大規模の学生数を誇るASUは州内に複数のキャンパスを有しており、今回のプログラムでは、新設の「ポリテクニック・キャンパス」を視察した。企業や外部機関が同キャンパスの設備を活用し、製造過程の自動化、ロボティクスなども含めて共同研究などを行うことが可能という。また、ASUでは「アリゾナ国際ソフトランディング体験」として、企業には一定期間デスクスペースを無償で提供し、ビジネス環境に関する情報収集や専門家、イベントなどの紹介を受けることができるプログラムを有し、日系企業の活用実績も出てきている。

参加者からは、「当社から駐在員を派遣することを検討しているが、今回、単にその検討のための情報収集ができただけでなく、多くのコネクションができたことは非常に有益だった」「スタートアップでも活用できるプログラムが豊富にあり、持ち帰ってもう少し自身でも深掘りしてみたい」といった声が聞かれた。

写真 アリゾナ商業公社によるプレゼン(ジェトロ撮影)

アリゾナ商業公社によるプレゼン(ジェトロ撮影)

写真 現地日系団体によるプレゼン(ジェトロ撮影)

現地日系団体によるプレゼン(ジェトロ撮影)

写真 アリゾナ州立大学視察時の様子(ジェトロ撮影)

アリゾナ州立大学視察時の様子(ジェトロ撮影)

(注)戦争省(国防総省)の5カ所のアクセラレーション・センターの1つで、同省の調達の玄関口として、同省と国家安全保障上の課題解決に資する製品を有するスタートアップ企業、学術機関、ベンチャーキャピタルなどをつなぐ役割を持つ。

(堀永卓弘)

(米国、日本)

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