米国・ウクライナ復興投資基金、無人航空機関連企業が最初の投資案件に

(ウクライナ、米国)

調査部欧州課

2026年03月31日

米国・ウクライナ復興投資基金(URIF、2026年3月5日記事参照)は3月25日、ウクライナのデュアルユース技術企業のサイン・エンジニアリング(Sine Engineering)に対する株式投資を最初の投資案件として承認した。

同社は2022年に設立されたリビウ拠点のスタートアップで、無人航空機(UAV)に対して、GPSが利用できない環境やジャミング(電波妨害)の影響を受ける環境下でも、スマートFHSS(周波数ホッピング方式)技術を使用した強靭な接続性とナビゲーションシステム、自律性を実現するハードウエアおよびソフトウエアを提供する。1人の操縦士で複数のドローンを同時にコントロールできる点も特徴だ。同社の技術は国内外100社以上のドローンメーカーに使用されている。

同基金に米国側から資金を拠出する米国国際開発金融公社(DFC)のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(3月25日)で米国のスコット・ベッセント財務長官は、「本基金の初の投資を承認することで、私たちはURIFがビジネスに開いており、投資を呼び込み、ウクライナの復興と将来の繁栄に向けた強固な基盤を築くという使命を果たしていることを、市場および世界に示している」と述べた。

ウクライナのユリア・スビリデンコ首相は、「URIFは投資、技術、安全保障を組み合わせたウクライナと米国の長期的なパートナーシップの一環であり、本日の(最初の投資案件の)承認はその方向への最初の重要な一歩である。URIFの重要分野には、エネルギー、デュアルユース製品、インフラ、重要鉱物資源が含まれる」とコメントした(ウクライナ経済・環境・農業省プレスリリース、3月26日)。

サイン・エンジニアリングはSNSで26日、URIF投資案件への選定は、強靭(きょうじん)な通信、航行、自律性インフラが、ウクライナだけでなく、世界の安全保障や重要産業にとっても戦略的な優先事項になりつつあるという強い兆候であるとし、米国や欧州パートナーとともに共同研究を進めていくことが次の段階であるとコメントした。

スビリデンコ首相は自身のSNSで25日、URIFにはエネルギー分野を中心にすでに200以上の案件申請があり、半分以上はウクライナ企業からのものだとコメントした。URIFの申請受け付けポータルは2026年1月7日に開設され、ウクライナ経済・環境・農業省は3月3日、URIFには受け付け開始から最初の2カ月間で138件の投資プロジェクト申請が提出されたと発表していた。

(柴田紗英)

(ウクライナ、米国)

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