イラン情勢を反映し、米国経済悪化の懸念が高まる、世論調査

(米国)

調査部米州課

2026年03月19日

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは3月17日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。イラン情勢によるガソリン価格の高騰を受け、米国民の経済見通しに対する悲観的な見方が急速に高まっている。今後の経済見通しで「悪化する」と回答した割合は59%(前週53%)で、これは新型コロナ禍の2022年10月以降最も高い数値としている。一方、「好転する」の割合は16%(前週20%)だった。支持政党別では、特に無党派層が前週(56%)から66%と10ポイント悪化した。民主党支持者は86%で前週(85%)からの変化はわずかだったが、共和党支持者は24%と前週(18%)から6ポイント悪化し、そのうちMAGA(注2)に限れば、18%と前週(11%)から7ポイント悪化した。

ドナルド・トランプ大統領のイラン情勢への対応を支持する割合は、前週の39%から36%に低下した。支持政党別では、民主党支持者が前週、今回とも5%と変化なく、共和党支持者は前週(83%)から81%とやや低下した。一方、無党派層は前週の30%から24%と6ポイント低下した。

トランプ氏の支持率は、37%と前週(40%、2026年3月11日記事参照)より3ポイント低下した。

トランプ氏は3月18日に原油価格の高騰に対処するため、ジョーンズ法(注3)を60日間停止する措置を講じた。しかし、過去の例では数セント程度の抑制効果しかなかったため、限定的な効果にとどまるとみられる(議会専門紙「ザ・ヒル」3月18日)。

目的が不明確なイランでの米軍事行動

「ワシントン・ポスト」紙が3月上旬に実施した世論調査(注4)によれば、トランプ政権がイランでの軍事行動の目的について「説明してない」とする回答が65%と、「明確に説明した」(35%)を大きく上回った。

回答者の63%は、戦争の目的と費用を考慮すると、この軍事行動における米軍の死傷者数は「容認できない」としており、「容認できる」(37%)を上回った。

イランでの軍事行動が米国の長期的な安全保障に貢献すると思うかという問いに対しては、「貢献しない」が53%と過半で、「貢献する」(46%)を上回った。

(注1)実施時期は2026年3月13~16日。対象者は全米の成人1,595人。

(注2)「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」の略称で、もともとトランプ氏の選挙キャンペーンのスローガンだが、トランプ氏の支持者を表現する際にも用いられる。

(注3)1920年商船法のこと。米国内の地点間の物品輸送を行う船舶は、米国船籍、米国人配乗、米国人所有、米国建造でなければならないと定めている。

(注4)実施時期は2026年3月6~9日。対象者は全米の成人1,005人。

(松岡智恵子)

(米国)

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