関係者間の理解促進や情報共有強化がEPA活用の高度化の鍵、レオン自動機に聞く

(世界、日本)

調査部国際経済課

2026年03月19日

包餡(ほうあん)機やパン製造機など多様な食品製造機を手掛けるレオン自動機(本社:宇都宮市)は、完成品輸出で複数の経済連携協定(EPA)を使い分け、関税削減を進めている(注)。ジェトロは2026年3月4日、同社のEPA実務担当者に、EPAの利用状況や課題を聞いた。

レオン自動機の輸出先は累計130カ国・地域に上り、現地の食文化に寄り添うかたちで海外市場展開を進めてきた。輸出網の拡大に合わせ、10年ほど前からEPAを活用し、製パン機、包餡機を中心に、相手国別の累計で60~70品目の完成品に適用している。インド、インドネシア、ベトナム向けは2国間EPAで一般税率5%が無税に、中国向けも地域的な包括的経済連携(RCEP)協定により約2%分が低減するなど、輸入側にとって効果は大きい。証明制度は、日本商工会議所による第三者証明で原産地証明書の発給を受けることが多いが、RCEPを用いた韓国およびオーストラリア向け、また欧州向けでも、輸出者である同社による自己申告制度を採用している。

写真 レオン自動機の機械が製造した国内外の銘菓、同社サンプルルーム内(ジェトロ撮影)

レオン自動機の機械が製造した国内外の銘菓、同社サンプルルーム内(ジェトロ撮影)

EPA導入時には、既に運用している同業他社から計算方法など実務面を詳細にヒアリングし、食品機械に適した社内手順を構築した。高額案件ではEPA活用でより高い効果が見込めるため、輸出先との調整も踏まえ、今後の対応方針を検討する余地もあるという。

原産地証明書作成では、対比表や計算方法の細部が輸出者の判断に委ねられる場面もあり、最適な手続きを模索しながら手順を磨いてきた。こうした積み重ねを通じて社内手順が洗練されつつあることから、関係者間の理解促進や情報共有の強化が、EPA活用のさらなる高度化につながるとみている。

レオン自動機は、輸出先との信頼関係を支えるサービス要素としてEPAを位置づけ、業務効率化と顧客価値の両立を図りながら活用の幅を広げていく考えだ。

(注)レオン自動機のグローバルサウス市場への展開については、2025年12月23日付地域・分析レポートも参照。

(吾郷伊都子、加藤遥平)

(世界、日本)

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