南ア中銀、政策金利を維持するも、今後には警戒感
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2026年03月30日
南アフリカ準備銀行(中央銀行)のレセチャ・クガニャゴ総裁は3月26日、同日開催された金融政策委員会(MPC)の結論として、政策金利を6.75%に据え置くと発表した。全会一致で金利据え置きが決議されたという。
クガニャゴ総裁は声明
で、前回会合(2026年2月4日記事参照)以降に発生した中東情勢の悪化により石油、ガス、肥料などの商品価格が急騰した一方で、株式、債券、為替市場での広範な下落が見られたとした。短期的には世界的にインフレ率が上昇し、サプライチェーンの混乱とコスト上昇によって経済成長が阻害されることは明らかだが、長期的な見通しは不透明だと述べた。各国中央銀行は様子見のため基本的に政策金利を据え置いているが、主要経済国における利下げ期待はおおむね低下し、利上げの可能性が高まっていると指摘した。
前回会合時点では、不安定な世界情勢にも関わらず2025年は南ア経済にとって転換期の年だったと位置付けた。新たなインフレ目標の設定を含む国内改革が進展し、借り入れコストの低下、インフレ予想の急速な低下、そして成長の安定化というかたちで実を結んだと評価していたが、今後の見通しは一変して厳しいものとなっている。特に物価については、2月のインフレ率が3.0%まで低下したものの、エネルギー価格の上昇などにより、間もなく4%まで加速するだろうと述べた。クガニャゴ総裁は、中央銀行の役割は供給ショックに対する物価反応を一時的なものに抑えることだとして、経済・物価予測に加え、賃金やインフレ期待といった指標を用いて、インフレ圧力の広範な高まりがあるかどうかを判断し、対応を検討していくと述べた。
その上で、南アは近年、インフレ目標の引き下げ、財政見通しの改善、そして安定した成長など、重要なマクロ経済面での進歩を遂げてきたことを挙げ、今後も健全な公的債務水準の達成、管理物価上昇率(注)の引き下げ、そして潜在成長率を高めるための構造改革の継続が求められるとした。
(注)電力、水道、燃料など政府が価格を決定する物品・サービスの価格上昇率。
(的場真太郎)
(南アフリカ共和国)
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