トランプ米大統領、アルゼンチン産牛肉に対する関税割当を拡大する大統領布告を発表
(米国、アルゼンチン)
ニューヨーク発
2026年02月12日
米国のドナルド・トランプ大統領は2月6日、アルゼンチン産牛肉の関税割当(TRQ)を8万トン拡大する大統領布告
を発表した。同日、ファクトシート
も発表した。米通商代表部(USTR)は2月5日にアルゼンチンとの相互貿易投資協定に署名しており、アルゼンチンも年間8万トンの米国産牛肉に対するTRQを設けると定めていた(2026年2月9日記事参照)。
大統領布告によると、これまでの干ばつや山火事により、米国の牛の頭数は過去最低水準まで減少した。これにより牛肉価格は上昇し、2025年12月に牛ひき肉価格は1ポンド当たり平均6.69ドルとなり、労働省が1980年代に統計を開始して以降の最高値を更新した。こうした事態に対処するため、トランプ氏は牛肉に対する無税のTRQの拡大を決めた。対象となるのは、米国関税分類番号(HTSUSコード)0201.30.5085および0202.30.5085に分類される赤身牛肉で、TRQは8万トン拡大する。具体的には、2万トンずつ4四半期に分けて先着順で管理する。1回目は2026年2月13日に開始し、3月31日に終了する。その後は、4月1日~6月30日、7月1日~9月30日、10月1日~12月31日に行う。なお、これらTRQは全てアルゼンチン産の牛肉に限る。また農務長官は、赤身牛肉の米国内での供給量および輸入を監視し、必要な追加措置について大統領に助言する。
米国の農業団体は、安価な牛肉の輸入増加が見込まれるため、TRQの拡大に反発していた。TRQの拡大が2026年いっぱいに限られるのは、こうした反発を和らげる狙いがあったという(政治専門紙「ポリティコ」2月5日)。一方で、消費者にとっては、安価な牛肉を購入できる点でメリットとなる。本大統領布告では、牛肉を「手頃な(affordable)」価格にすることが強調されている。中間選挙に向けては、物価高対策として、「手頃(affordability)価格」が焦点の1つになっており、トランプ氏は今後もこうした点を強調していくとみられる。
(赤平大寿)
(米国、アルゼンチン)
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