「日インドネシア・ファストトラック・ピッチ2025」開催、両国の協業・連携を促進

(インドネシア、日本)

ジャカルタ発

2026年02月20日

ジェトロと経済産業省は2月12日、オープンイノベーションの創出を後押しする「日インドネシア・ファストトラック・ピッチ2025」をジャカルタで開催した(注1)。赤澤亮正経済産業相(ビデオメッセージによるあいさつ)、在インドネシア日本大使館の明珍充臨時代理大使やインドネシア商工会議所(KADIN)のハンス・ルキマン・アジア大洋州委員長をはじめ、両国の企業・政府関係者など約170人(会場約125人、オンライン約45人)が参加した。

事前に募集した5社のチャレンジオーナー(自社課題の解決策を求める企業、注2)に対して、約90社の応募が集まり、当日は、事前選考を通過した11社(ファイナリスト)が解決策を提案した。

チャレンジオーナーの1社で、日本国内で高速バスや鉄道事業などを手掛けるWILLER(ウィラー、本社:大阪府、注3)は、(1)ラストワンマイル(中継地点と最終目的地をつなぐ)輸送に関する課題、(2)持続可能な都市モビリティーの実現、(3)安全で快適なモビリティー体験の創出の3つのチャレンジ(解決策を求める課題)を提示した。同チャレンジには、2018年に創業し、地理空間情報技術を有するスタートアップBvarta(本社:インドネシア・バンテン州)から、リバン・ハリッツ営業責任者とアズビー・ルトゥファン最高技術責任者がピッチを行った。同社は、過度な物理的インフラへの投資を行うことなく、過去のトレンドに基づく需要予測モデルを活用し、最適な乗降地点を推奨するシステムを提供できると説明した。その上で、「特定の時間帯に、どこに車両を配置すべきか正確に助言することで、フリート(車両群)の稼働効率の最大化を実現できる」と強調した。また、過去にジャカルタ交通当局と連携し、乗客数の需要予測を支援した実績をアピールし、「配車サービスだけでなく、鉄道、バス、海運など交通公共機関との統合も得意としている」とし、概念実証(PoC、注4)を含めた協業を求めた。

ピッチ終了後、各チャレンジオーナーが、チャレンジオーナー賞をそれぞれ選定した。また、会場の聴衆による投票で、最も多くの票を集めたファイナリストに送られるオーディエンス賞に2社が選定された。これらには、それぞれ、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を活用して企業や家庭のエネルギー消費や運用コストの削減を支援するMyECO(Solusi Efisiense)と、Bvartaが選出された。

写真 イベントの様子(ジェトロ撮影)

イベントの様子(ジェトロ撮影)

(注1)2023年の日ASEAN友好協力50周年を機に、日ASEAN双方のスタートアップと大企業との協業によるオープンイノベーション創出の後押しを目的に開始され、ジェトロのビジネスプラットフォーム「J-Bridge事業」の一環として開催されたもの。ジャカルタでの開催は3回目。共催者として在インドネシア日本大使館、インドネシア経済担当調整府も参画。

(注2)チャレンジオーナーとして、5社(Bakrie Capital Indonesia、Deltamas、LippoMalls、NTT東日本、WILLER)が参加。各社のチャレンジ概要やファイナリストの提案解決策はジェトログローバルウェブサイトのインドネシアのページより確認できる。

(注3)WILLERは、インドネシア・バンテン州にある新興開発都市「BSDシティー」でオンデマンド型の定額乗合型移動サービス「mobi(モビ)」の実証実験を開始している(2026年2月5日記事参照)。

(注4)概念実証とは、新たなアイデアやコンセプトの実現可能性、得られる効果などを検証すること。

(大滝泰史、平松耕介)

(インドネシア、日本)

ビジネス短信 fc7d04c17be086ee