米ウォルマート、小売業として初の時価総額1兆ドル突破

(米国)

ニューヨーク発

2026年02月04日

米国小売り最大手のウォルマートは2月3日、時価総額が初めて1兆ドルを突破したと、複数のメディアが報じた。これまで主にテクノロジー企業が占めていた「1兆ドルクラブ」に、小売業として初めて加わる歴史的な節目を迎えた。

ウォルマートの成功は、単なる小売業としての成功にとどまらず、人工知能(AI)や自動化、電子商取引(EC)といった先端技術を積極的に取り入れ、「テクノロジー企業」へとビジネスモデルを進化させた結果として高く評価されている。継続的なインフレを背景に、同社は低価格と利便性を両立させることで高所得層からも支持されるようになり、過去5年間でECの商品数を5億点超に拡大し、1時間配送の実現、アマゾンプライムに対抗する有料会員制プログラム「ウォルマートプラス」の展開、そして40億ドル規模の広告事業の構築を行ってきた。その成長を支えるのは早期からの積極的なAI投資で、サプライチェーンの自動化や需要予測の高度化によって、米国の既存店売上高予想を15四半期連続で上回るなど、圧倒的な競争優位性を確立してきた(「ロイター」2月3日付)。

ウォルマートは、デジタル変革への決意を象徴する戦略的な動きとして、2025年12月に上場先をニューヨーク証券取引所からナスダックへ移行した。これは、テクノロジー主導型企業への進化を鮮明にするものであり、2026年1月20日には世界有数のハイテク株指数ナスダック100への採用を果たした。

ウォルマートは2026年2月に新たな最高経営責任者(CEO)としてジョン・ファーナー氏が正式に就任し、新たな経営体制へ移行した(2026年2月4日記事参照)。一部アナリストは、同社の評価額が従来よりも高い水準にあるとして慎重な見方を示しているが、依然として多くの投資専門家は同社の成長ポテンシャルを評価している。新体制の下、ウォルマートがどのように進化していくのか、今後の動向が注目される。

(樫葉さくら)

(米国)

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