欧州産業界、EU・インドのFTA交渉妥結を歓迎、輸出拡大に強い期待
(EU、インド)
ブリュッセル発
2026年02月05日
ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は1月27日、EUとインドの自由貿易協定(FTA)の交渉妥結について(2026年2月2日記事参照)、協定を第1歩として、持続可能性、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化、原材料の調達や安全保障など複数の分野でさらなる経済協力が深化することに期待を示した(プレスリリース
)。また、世界で保護主義的な動きが高まる中、両者は貿易が同盟関係や経済協力の進展の確固たる基盤となりうることを示したと評価した。
欧州自動車工業会(ACEA)は同日、FTAはインドへの自動車輸出拡大に資すると歓迎し、早期批准を要請した(プレスリリース
)。同時に、年間25万台の関税割当枠の設定などに言及し、条文の公表後、協定の効果を精査する必要があるとも述べた。ACEAは1月22日付の声明
で、関税割当枠や市場アクセスを限定する規則を設けると、協定の効果が損なわれるリスクがあるとし、長期的な視点に立って交渉し、EU・インド双方の産業界に恩恵をもたらす内容にすべきと主張していた。
欧州自動車部品工業会(CLEPA)は同27日、一部の自動車部品について、現在の15~28%の関税が段階的に撤廃される可能性があると述べ、急成長するインド市場へのアクセス改善は部品業界にとって非常に大きな戦略的・経済的なメリットとなると歓迎した(プレスリリース
)。同時に、適用にあたり明確な運用枠組みの下、貿易障壁が実効的に撤廃されることが重要と強調し、合意内容をEU・インド間の経済関係の発展につなげるには、予測可能で透明性が高い枠組みの策定がカギと指摘した。
欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)は同日、規模が大きく急成長するインド市場への参入条件が改善し、予見性も高くなったと交渉妥結を歓迎した(プレスリリース
)。協定内に環境保護の強化や労働者の権利の保護、女性のエンパワーメントの推進を図るとともに、貿易に関連する環境・気候問題や協定の効果的な適用に向けた対話・協力の場となるプラットフォームを設立することとなっている点を評価。プラットフォームを適切に機能させることで、EUの事業者はFTAの効果を最大限享受できると述べた。
農業協同組合・農業生産者団体COPA-COGECAも同日付声明で、EU産農産物の新たな輸出機会が創出されると歓迎した。牛肉や砂糖など、EU側にとってセンシティブな品目が自由化の対象から除外されたことは、欧州委員会が現実的かつ責任あるアプローチを示し、バランスの取れた協定と評価した。同時に、協定の効果的な適用には、インドからの輸入品のEU基準の順守や公正な競争の確保が重要と強調した。
(滝澤祥子)
(EU、インド)
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