日本とバングラデシュがEPA交渉で大筋合意、バングラデシュ初のEPAに
(バングラデシュ、日本)
ダッカ発
2025年12月23日
日本の茂木敏充外相は12月22日、バングラデシュ暫定政権のシェイク・ボシール・ウディン商業顧問(閣僚級)と電話会談を行い、日・バングラデシュ経済連携協定(EPA)が大筋合意
に至ったことを確認した。これは、本EPAが内容面で合意に至り、協定の本文に関する確認作業を残す状態になったことを示している。
バングラデシュは、2026年11月に国連の定める後発開発途上国(LDC)からの卒業を予定している。日本はLDCを卒業した国に3年間特別特恵関税の適用を継続できる制度を有するため、同国は最長2029年3月末まで当該対象となり得るが、貿易取引の維持・拡大のためには、日本に限らず他国との経済連携協議を推し進める必要があると指摘されてきた。本協定はバングラデシュにとって初めてのEPAであり、重要な意味を持つものになった。EPA交渉が2024年3月に開始したことに鑑みれば、1年9カ月で妥結に至ったことになる。
日本からバングラデシュ市場へのアクセスに関しては、高関税が課されている鉄鋼、自動車部品、織物、電子部品などを含む多くの鉱工業品目について、即時~18年以内に関税が撤廃されることになった。乗用車(完成車)については、日本は将来にわたって他国に劣後しない特恵待遇を受けることになる。
また農林水産品に関し、牛肉、ブリ、タイ、ホタテ、リンゴ、ブドウ、緑茶、しょうゆなどについて即時~18年以内に関税が撤廃されることになった。これらは、日本政府が「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略
」の中で選定している輸出重点品目と合致する。
他方、日本市場へのアクセスに関しては、日本の重要品目を関税削減・撤廃の対象から除外しつつ、多くの品目で即時または段階的に撤廃するとしており、LDCのバングラデシュに対する配慮も見られる。さらに、バングラデシュはサービス貿易において、WTOの分類に基づく約150分野のうち約100分野で自由化を約束し、ルールについて汚職・腐敗防止に係る規律など幅広い分野で合意した。
バングラデシュのムハンマド・ユヌス首席顧問はこれを受けて、「バングラデシュに広範な経済的利益をもたらすことが期待される。本協定は貿易の拡大や投資の増加、新たな雇用創出をもたらし、バングラデシュと日本の経済関係の新たな章を開くことになる」などとコメントした。第7回会合の際に訪日したルトフィ・シディキ国際問題担当首席顧問特使は「日本は、バングラデシュ暫定政権が限られた期間内で真剣に交渉に取り組み、合意に至るかに関し、確信を求めていた。彼らは終わりの見えない官僚的なプロセスにリソースを割くことを嫌った。商業顧問と私は自ら、日本に対しその確信を伝え、全プロセスに関与し続けた」として今回の成果を強調した。
なお、両国は本協定の署名に向けて引き続き協力していくことで一致している。
(片岡一生)
(バングラデシュ、日本)
ビジネス短信 58e753391bf3e6ca




閉じる
