2025年第4四半期GDP成長率は前年同期比3.8%、通年3.5%で見通しを上回る

(香港)

香港発

2026年02月10日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は1月30日、2025年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(速報値)を前年同期比3.8%と発表した(添付資料図参照)。2025年第1四半期から4期連続のプラス成長となった。

2025年通年では3.5%となり、2025年11月14日に香港政府が上方修正した成長率見通し(3.2%)を0.3ポイント上回り(2025年11月26日記事参照)、新型コロナ禍後の2023年から3年連続のプラス成長だった。

第4四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、個人消費支出は前年同期比2.5%増で前期(2.4%増)より小幅上昇した。政府消費支出は前期(2.0%増)より0.6ポイント低下した1.4%増にとどまった。固定資本形成は10.9%増と前期(3.4%)より7.5ポイント伸びた。財の輸出は前期(12.0%増)から3.5ポイント上昇した15.5%増、輸入は前期(11.7%増)から6.7ポイント上昇した18.4%増となった。サービス輸出は前期(6.6%増)より1.7ポイント低下した4.9%増、輸入は前期(2.3%増)より0.8ポイント上昇した3.1%増となった。

香港政府報道官は同期の実質GDP成長率について、明確な伸びを示したと評価した。2025年通年の成長要因については、「電子関連製品への強い需要や、アジア域内における活発な貿易によって財の輸出が大幅に増加した」「インバウンド客の増加や越境金融サービス活動の活発化により、サービス輸出が顕著に増加した」とした。さらに、第2四半期以降に個人消費支出が増加に転じたことや、経済の安定的な成長と並行して投資支出全体で成長が加速したことも紹介した。

2026年の見通しについては、香港経済は引き続き好調を維持すると予測した。その要因として「世界経済の緩やかな成長に加え、人工知能(AI)搭載電子関連製品の堅調な需要は今後も財の輸出を支えるほか、米国のさらなる利下げへの期待や、ビジネス環境や消費者心理の改善が、個人消費と投資支出の増加に寄与するだろう」と指摘した。一方で、地政学的な緊張の高まりや、主要国における経済・金融・貿易政策の変化など、外部環境の不確実性を注視しつつ、香港政府による経済政策および市場多元化に向けた取り組みが引き続き香港の経済を下支えするとの見方を示した。

フランスに本拠を置くナティクシス・コーポレート&インベストメント・バンキングのアジア太平洋担当シニア・エコノミストの呉卓殷氏は、2026年上半期の投資および財の輸出入の勢いは維持されるとの見通しを示した(「信報」紙1月31日)。一方、金融サービス業主導の経済成長の恩恵が他の産業へ波及しているかに疑問は残るとし、同氏は2026年通年の実質GDP成長率を2.5%と予測した。

なお、香港政府は2月25日の2026~2027年度予算案の公表時に合わせ、2025年第4四半期と2025年通年の実質GDP成長率の詳細と2026年のGDP予測値を公表する予定だ。

〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕

(香港)

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